Case3-15 少女

 やがて帰りの日は訪れる。来た時同様、見事なまでの晴れ。

 車の窓が開かれるやいなや、少女は中から身を乗り出して祖父母に抱きついた。またしばらくはお別れなのだから、今のうちにたくさん大好きを伝えておかなければならない。

 色々あったが、二人に会えたことは心から良かったと思う。もちろん絶対にまた会いたいと思う。

 ただそれでも、少女は「また来なさい」という言葉に上手く返事をすることができなかった。


 母娘ははこを乗せて、車は舗装の荒い道をぐらぐらと動き出す。

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