16歳でIQ世界1位になった俺が事故で両親をなくしたツンデレ女子中学生を引き取ることになった件

エンジェルん@底辺作家

第1話1つの出会いは突然に

 朝日がカーテンを通り抜けてさっと差し込んでくる。


 朝日は俺の顔を照らし、伝っている涙で反射してキラキラと光ったまま空中に散っていく。


 

 今日もまたあの子たちが出てきた。


 あたりは青々とした木々に囲まれ、葉と葉の間からこぼれてくる光が一本道を照らしている。


 それはまるで木漏れ日によって一本道が作られたかのように幻想的な風景だった。


 この道を5人の子どもが元気に走り抜けていく。


 あの子たちは今日も違う場所に行っている。


 あの子たちはいつも俺をいろいろなところに連れて行ってくれる。それなのに辿り着くところはずっと同じ。



 真っ暗で時が止まったかのように静かな場所。


 じっくりと耳を澄ましてみると


 遠くからが聞こえてくる。


 俺はその度にひたすら泣き声がする方向を目指す。


 でも俺は未だに一度もたどり着いたことがない。


 

 辿



 

 +++

 俺は7時頃に目を覚まして、朝ごはんを食べるために2階にある俺の部屋から1階のリビングへと向かう。


 そしたら忙しそうに出かける準備をする母さんを見かける。



 「母さん、朝から忙しそうにしてるけど、どこか行くの?」



 「あら、紫皇しおう起きたのね、母さんは今から出かけてくるわね、17時頃には必ず部屋にいなさいよ」



 「うん、わかった。・・・・・・でも17時ごろ? 何か届くの?」


 「別に何も届かないわよ」


 何も届かないのに、家にいなくちゃいけないの?

 

 てか、家じゃなくて俺の部屋?  


 「じゃーどうして俺の部屋にいないといけないんだよ?」



 「ふふふ、それは私が帰ってからのお楽しみよ」


 母さんはもったいぶって、上機嫌に出かけて行った。


 

 それなのにどうしてこんなことになったんだよ! まさかこのために朝早くから出かけていたとは・・・・・・




 ――夕方17時

 


 ガチャっ!


 玄関のドアが勢いよく開けられ、階段をドタドタ登り足音が真っ直ぐ俺の部屋に近づいてくる。



 バーン!


 ドアが凹むんじゃないかと思うぐらい勢いよく俺の部屋のドアが開けられる。


 いや、実際に凹んでいた。


 そして開口一番母さんは告げる。


 「いい? 今日からあんたは女子中学生と一緒に暮らすのよ!」



 「・・・・・・は?」


 

 「・・・・・・もう全くそんなにも口を開けちゃって情けないわね。あんたは今日からこの子と暮らすのよ」


 そう言って母さんの後ろに隠れていた女子中学生の頭をぽんぽんする。



 「・・・・・・は?」


 

 IQ世界1位であってもあまりに突然の出来事に思考がぶっ壊れる。



 (女子中学生? それってJKだっけ? あれ、JKってジョーカーのこと?)


 思考がイカれてやがる。


 俺がぶっ壊れていると女子中学生がいきなり俺の頭をチョップしてくる。


 「こんくらいも理解できないの? それでも本当にIQ世界1位なの?」


 「な、何だよいきなり・・・・・・」


 不意打ちにビックリして女子中学生を咄嗟に見ると


 綺麗な薄い紫色の髪を肩甲骨あたりまで伸ばし、幼さが残っているが、とても整っている顔・・・・・・



 あまりの可愛さに舐めたことを言われたのも忘れて、ついジッと見つめてしまう。


 すると女子中学生の顔はみるみる紅潮していき、


 「そ、そんなにジッと見ないで変態! キ、キモイから!」


 

 (・・・・・・グハッ・・・・・・女の子のキモいは男子全員に対して効果抜群だぜ・・・・・・IQ世界1位をもってしてもダメージ緩和プログラムを作動するのに手こずるぜ)



 「わ、悪かったよ。確かに女性をジッと見つめるのは失礼だったな」



 「わ、わかったならいいよ、フンっ」


 そのまま女子中学生はそっぽを向く。



 するとなぜか母さんはニヤニヤしながら



 「あらあら二人とももう仲がよくなったのかしら?」


 

 と言って女子中学生の方を見る。


 

 「べ、別に全然仲良くなってません!」



 顔をさらに耳まで真っ赤にして慌てて否定する。



 俺はこの瞬間悟った。



 (この子は絶対・・・・・・ツンデレだ!)



 「ねえねえ、君――」


 「キモイ」


 「すごく――」


 「キモイ」


 「かわいいね」


 「キモ――・・・・・・ふぇ? かかかかかわいい? それってあああああたしに言ってるの?」


 「そうだよ、君は可愛いね」



 すると頬を染めたままもじもじして


 「あ、ありがとう・・・・・・ございます」


 

 今にも消えてしまいそうな声で言う。


 

 (ほら見ろツンデレじゃないか! ツーンデレ! ツーンデレ! ツーンデレ!)



 俺が調子乗ってツンデレコールを脳内でしていると


 ――スンッ


 そう効果音が聞こえるんじゃないかと思うほどの速さで女子中学生は真顔になる。

 そしてそのままの顔で俺の方を向き


 「今、君なんて言ったの?」



 「ん? な、何も言ってないけど?」


 俺はできるだけ落ち着いた声で答える。

 

 (うん、俺は誓って何も言っていない。脳内で何を思おうと言わなければセーフ・・・・・・だよね?)



 「君のその脳内でだよ!」


 

 「・・・・・・な、なに! 俺の脳内放送を聞き取っただと!」



 「・・・・・・」



 「どこで、思考を読まれたんだ? その前に俺が思ってたことは読み取られてなかったんだろ、一体原因は――」



 「・・・・・・ちょっとあんた思いっきり喋ってるわよ? 脳内放送 (?) ってやつを」



 母さんはしばらく俺と女子中学生の会話を傍観していたが、思わずツッコミを入れてくる。



 「え? はっ! いつのまに声に出てたんだ! さっきもこんな感じで声に出てちゃってたのか!」


 「別に声に出てなかったわよ?」


 「え?」


 「・・・・・・全く、あんたって人はホント思考がわかりやすいんだから」



 「えっそうなの?」


 俺は意外に思って女子中学生の方を向くと


 (あ、あたししーらなーい)


 ツンデレと思われたことを根に持ってるのだろうか、横を向き無視してくる。



 母さんはそんな二人の様子を穏やかな目で眺める。


 「それじゃ、行くわよ」


 「ん? どこに行くの?」


 「そんなの決まってるでしょ、2に行くのよ」


 「・・・・・・は?」


 驚いたのは俺だけだった。


 なぜか女子中学生はをして母さんの後をついて行くのだった。


 

 小説書くの初心者です。文章を書き切るという経験をしたいので、何としても完結まで事を持っていく所存です。温かく見守って頂ければ嬉しいです。

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