第3話 化粧下手な元アパレル店員(1)

 不・純喫茶〜幻は開店2日目を迎えた。


 店内には淡い香りが漂い、落ち着いた雰囲気が広がっている。そんな中、一人の女性が初めて足を踏み入れた。


 この店で二人目の客だ。

 細身で背が高く、髪はショートボブ。ブルーで一貫した色使いのシンプルなデザインの洋服。

 昨日、ゴジラを見た後なのでとても美しく思えた。


 私は笑顔で彼女を迎えた。


「いらっしゃいませ。開店2日目、ありがとうございます。」と挨拶した。


 彼女はにっこりと微笑みながら、「こちらこそ、お店のオープンおめでとうございます。初めての訪問ですが、雰囲気がとても素敵ですね。」と言った。


「ありがとうございます。この店のコンセプトは、『お客様の居心地の良い空間』で、そうできたら良いなと思ってます。」

「それでは、何かお飲み物はいかがですか?」と尋ねると


 彼女は少し考え込んだ後、

「では、カプチーノをお願いします。」と優雅に注文した。


 しばらくして、彼女のテーブルにカプチーノを持って行き、

「どうぞ、カプチーノです。お好みで砂糖を加えてくださいね」と微笑みながら彼女の前にカプチーノを置いた。

 あえて微笑もうと思ったわけではないが、自然にそうさせる雰囲気を持つ女性だった。


 彼女はカップを手に取り、軽くかき混ぜながら、小さな口で一口飲み、「美味しい!ここのカプチーノは絶品ですね」と彼女は感激の表情を見せた。


「ありがとうございます、お褒めの言葉嬉しいです。また何か他にご注文はありますか?」と尋ねると、彼女はメニューをじっくりと見つめた。


 彼女は少し迷った様子で、メニューを閉じ「では、この『特製カレーセット』と、あと… あの『幻のサラダ』もお願いします」と優しい声で注文した。


「特製カレーセットと幻のサラダですね。ありがとうございます、すぐにお作りしますのでお楽しみに」


 私は嬉しかった。やっと喫茶店をやっている実感が湧いてきていた。


 しばらくして、私が彼女の注文したカレーセットとサラダを運ぶと、彼女は喜んで食べ、「ここのカレー、本当に美味しい!幻のサラダも、名前の通り不思議な味わいですね」と彼女は感心した。


「ありがとうございます、お褒めの言葉嬉しいです。特製カレーセットと幻のサラダは、私の自慢のメニューですよ」と誇らしげに答えた。


 彼女の表情は、満足そうだった。


 不・純喫茶〜幻の開店2日目に、素敵な出会い。



 お~。


 なんか、良いんじゃないかぁ・・・



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