復活の兆し(1)

復活或いは進化を遂げてリトル時代無失点だった怪物投手鬼沢は帰ってきた。


そう何人かの人に言われた。

結果だけ見るとそうだった。

だが僕はまだ納得していない。


まだ完全に仕上がった訳では無いから。


では試合を振り返ろう。


県大会予選4回戦で僕は強打で知られる白北学園相手に登板した。


まず1番バッターだがミート力、選球眼に加えて長打力もある選手をインローに決まるキレ重視のストレート、腰のあたりのストライクゾーンギリギリに決まる高速シュートで追い込むとアウトローにダウンカーブを投げた。

すると空振りをとれた。


続く小技が得意な2番打者に対しては外角高めにホップするストレートを投げ打ちそこねさせてショートフライに抑える。


選球眼はやや無いが巧打の3番相手にはインローに決まるツーシームを打たせファーストゴロに打ち取る。


上々の立ち上がりだ。


それに応えるように梁川先輩があっさりと初球のストレートを捉えてスタンディングダブルを決めると若挟先輩が追い込まれてからアウトローに決まったスライダーを上手く流して三塁打(相手が前身守備をしていたのもある)を放ちあっという間に先制しその勢いのままに一回終了の時点で10点と大量援護を貰った。


それに応えるため相手の長打力が優れている香川選手をインローに決まるナックルカーブ、アウトローに決まるダウンカーブで追い込むと真ん中低めに決まったチェンジオブペースで三振を奪う。

 

続く5番打者をツーシームでピッチャーゴロに抑えて6番打者をインハイに決まるストレート、インローに決まるナックルカーブで追い込み、アウトローに決まる高速シュートで見逃し三振を奪った。

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