第6話 23の伝説

一言でいうと生ける伝説である

なぜ伝説なのかというと、

大阪にバイク便というサービスが生まれた頃から走っている事

大阪の他のバイク便会社の面々にも顔が知れ渡っており、「23(のあだ名)」を知らぬものはいないのである

信号待ちに他社のライダーに横に並ばれて

「おー〇〇(会社名)さん!23元気ー?まだ死んでへんか?」

「毎度ですー!23は今日も元気にカッ飛んでますよ!」

「まぁアイツは死なんわなー上手いしー!」

「兄ちゃんアイツにゆーといてや!はよ死ねって(笑)」

「死んでほしいんかほしくないんかどっちなんすか(笑)」

「ジョーダンやって!兄ちゃんもきーつけやー!」

「ありがとうっす!」

こんな会話がちょくちょく発生する

本人像は見た目はいたって普通なお兄ちゃん

ただ23を取り巻く噂が普通じゃない

・関空→セントレア空港(約240km)をジャスト2時間で走り切った

・松原線の大和川コーナーを170キロで曲がった

・元GPライダーだった

嘘か真か、にわかには信じられない噂だが、本人は何処吹く風である

一度その噂を御本人に直接聞いたことがある

面倒臭そうに答えてくれたのだが、やっぱりにわかには信じられないのである

「名阪国道は180キロ巡航できるやろーそれで2時間でつくわー」

「あー大和川コーナーか?あれは後ろからよそのバイク便につつかれてムカついたからやったってん」

「GPちゃうよー地方選手権にでてただけやー金が続かんかったから途中でやめたけどな」

噂はだいたい本当でした







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