隣の「あの子」へ

これは読む人によって解釈が変わる作品だと受け取りました。

ガラスの心が比喩なのか、事実なのか。
壊れると現れる「あの子」が何者なのか。

語られないままに、しかし生々しく語り掛ける笑顔と呪い。

私が悔恨と解釈したものが誰かにとっての未来なのかもしれない。
解釈に大きな余地を持たせつつも、問いかけるでもなくただ開いて行くばかりの物語は、読後にモヤッとしたものを残します。おそらくそれは一生心に残るもの。なくなったと思っても、視界の隅で沈殿していて、ふとしたタイミングで浮き出て来て姿を現すもの。

短いですが、一生ものです。