2度目の人生でTS転生して女子校に通う話

ザコンディ

第1話

海が好きだった、だから最期はこうしようと思ってた

季節は暖かくなった春、海へと入ると心地よい冷たさが体を包み、浮いていれば全てを忘れられるような錯覚さえある…そんなことはないのだけれど…


でも、いつまでもこうしていたら迷ってしまうかもしれないから、私は深く潜った

息が苦しくなる、酸素が欲しくなる、でももう上がらない

苦しくて苦しくて、でももう終わりだから…


駄目な私でごめんなさい


そうして私は死んだ―――



はずだった






物心ついた頃私は思い出してしまった。

記憶が2つある強烈な違和感…でもどっちも私なのだと認識出来た

問題は人格が前世に引っ張られてしまったことだ

性別すら違うのに…私は前世の男の人格になってしまってる…


そんなのはダメ…石田望海いしだ のぞみは女の子で…そんな女の子をこんな記憶で人格で生きていいはずがない…


だがら私は女の子として生きるために頑張った


口調の苦労はあんまりなかった

元々ほとんど敬語で喋ってたし、乱暴な言葉遣いは嫌いで使っていなかったし

一人称も男から…私だったし


色々と体の違和感は強烈だったけど15年も過ごせば慣れた…生理はなれないけど…



一番の問題だったのは―――



性的なの対象が女性だったこと―――


気持ち悪いって思った


私は、石田望海は女の子なんだ


だからこの気持ち悪いわたしの性欲なんて要らない!




なんて思っても治ることは無く…元々自分の性欲に持ってた強烈な自己嫌悪だけが残って、着替えの時はいち早く着替えて視界に入れないように早く逃げるようにしたり…修学旅行でのお風呂は体調不良を理由に時間ズラしたりそもそも欠席した


そして高校生になって私は女子校に入る…



え?なんで?って思ったかもしれないけど…


情けないことに中学生の時に男に襲われそうなって以来…前世のトラウマも相まってで男性恐怖症になってしまった

今の父親はギリギリ大丈夫だけど赤の他人の男は震えが止まらなくなって吐き気がしてとてもまともに過ごせなくなってしまった


心配した両親は精神科通いが出来てかつ全寮制の女子校に私を叩き込んでしまった…



これからとっても不安な毎日が始まるけど望海として…ちゃんと生きなくちゃ


いつかこの記憶と人格が無くなって普通の女の子になれないかななんて思いながら望海わたしは今日も生きていく


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