第十一回「継続」

 別サイトにて連載中の自作小説『鴉の黙示録』が佳境に入っている。明日の更新で物語がひとつの区切りをつける。


 私にとっては初めての長期連載だった。二年九か月もの間、我ながらによくやったと思う。始めた頃は所々で休載を挟みながら書いていければと構想していたので、週一のペースでここまで長く続けられるとは考えてもいなかった。今日くらいは自分を褒めてやっても良いだろうと思い、先ほど美味しいお酒を買ってきてしまった。


 ここまで長く続いたのは言うまでもなく「継続力」が作用した結果だ。継続は力なりとは言い得て妙。何事も成功を達成するためには継続的な努力が必要である。


 成功や成長は、一瞬の輝かしい瞬間ではなく、時間とエネルギーをかけた持続的な取り組みの積み重ねから生まれる。例えば、有名な科学者や芸術家、スポーツ選手がその道での成功を収めるまでには、数多くの挫折と試行錯誤があったのは良く知られた話。困難に立ち向かい、壁の越え方を磨き続けた結果、その分野での優れた業績を上げることができた。


 また、個人的な成長においても、継続的な努力は欠かせない。新しいスキルを習得したり、もしくは健康のために体の基礎を作るためには、毎日の継続的な取り組みが必要。それをやらずに結果は得られない。


 たとえば、単語練習。中学生の時分には誰もが経験があることだろう。毎日少しずつ学習することが、短期的な努力だけでは達成できない目標を実現する鍵。私も少女時代にはかなり励んだものだ。生来記憶力だけには優れていたため、十回以上書けば大抵のワードは頭に入った。それが大人になってからも持続しているかといえば、決してそうではないのだが……。


 健康的な生活を送りたい場合も、日常的な運動や食事習慣の改善が、持続的な健康への道を切り拓く。特に運動。いかに有効的な運動を思いついても、三日坊主で終わらせずにひと月以上続けなくては効果は出ない。これが意外と難しい。個人差はあるだろうが、机に向かうだけで済む勉強よりも体を動かさなくてはならない運動の方が習慣付けのハードルは高い。


 継続の力は、挫折や失敗との向き合い方にも関連している。多くの場合、目標に向かう道は平坦ではなく、困難や挫折がつきものだ。しかし、継続的な努力を続けることで、挫折を乗り越え、新たな機会に向かって前進することができよう。成功者の多くは失敗から学び、それを次のステップに活かすことで、最終的に成功へとたどり着いたのである。


 では、継続を実践するためには大切なのは何か? 要素が重要なのでしょうか?まずは明確な目標を持つことだろう。目標は行動を導く指針であり、継続的な動機付けを行うのに丁度良い。次に、目標を見据えた計画を立てること。目標から逆算してステップや戦略を整理し、自分なりの行程表を作成すること。そして、最後に書かせないのが自己規律や忍耐力を養うことも不可欠。継続的な努力は忍耐を要し、誘惑に負けずに努力を続けるためには自己規律が必要であるのだ。


 俗に「継続は力なり」と云われているが、逆に考えれば「継続なくして力はつかぬ」ということだろう……と、ここまで偉そうに書いてきたが、最近の私は無目的かつ無計画、気の向くままに生きることに憧れている。


 無目標で生きる。それもまた目標なのかもしれない。では、それを成すために継続すべき努力とは何か?


 やはり、自由に暮らすための長期的な資産形成だろう。


 まだまだ社会人を頑張らなくては。

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