第12話 ルルナのお願い
乙姫セリカを追い返してぅ、僕はダンジョンに向かうようにした。
非戦闘職である図書館司書の僕でも戦えないことはない。
お金もそれなりにあったからネットでガトリングソード(28万円)を買ってゴブリンを狩る。
図書館検索
ガトリングソード
リボルバー式で回転する刃を魔石で動かす剣。ドラゴンを倒すために、B級冒険者落合正人が考案。篠原重工が12年の歳月をかけて実現化。日本製だが、現在は韓国の方がシェアでは勝っている。紙幣価値で競争力を失う世界の状況は最新技術の開発に陰を落としている。詳しくは▼
対人戦として玉石さんが仕込んでくれてるけど、徐々に動きがわかってくる。
ときどきぅ、乙姫セリカのファンの人が僕を見つけて泣きながら絶叫してる。
「うぉおおおおおおお。伊藤ぉおおおおおお。俺は、お前と、乙姫ちゃんが、死ぬまで添い遂げて幸福になることを、死ぬほど願ってるぞおおおおおおおおおおお」
玉石さんが色々と注意をしてくれる。
「・・・連続の戦闘を熟すこと・・・。無駄な動きをなくすにはとにかく数・・・」
「戦ってけば強くなれますかぅ? 図書館栄養士の僕でも」
「・・・私は戦闘するときにスキル使ってない。・・・でも、Bクラスにいる・・」
「ほんとですかぅ?」
「・・・そう。つまりはBクラスまでだったらスキルがなくてもなれる・・・」
やる気が出るなぁ。
つけ麺をルルナに奢る。
ルルナには玉石さんも紹介してもらったからぅ、奢ることにしたんだ。
為五郎って美味しいつけ麺屋があってぅ、お金がない暮らしだったけどぅ、ずっと食べたかったんだぅ。わりと人気店で広いスペースにぅ、カウンターと個室がある店。
ジャズが流れていて、素敵だ。
「お礼がつけ麺でも正直うれしいわ。これってデート?」
「そんなぅ。デートなんて誘えないよ」
「ふふ。まあ、いいわ。ありがとう。この店美味しいし、つけ麺私も好きよ」
「よかったぁぅ。何お礼にしようか色々迷ったんだよね」
「ふふ。美味しい。二人で食べるつけ麺って特別ね。ただ、あなた、乙姫さんのこと本気で気をつけるのよ?」
店員さんが追加で麺を僕に渡してくれたぅ。為五郎って追加で麺を入れてくれるみたいぅ。しかもぅ、3回まではサービスで無料だぅ。美味しいのにすごい店だ。
そのときぅ、ルルナが箸を置いてぅ、じっと僕を大きな目で見つめたぅ。ルルナはかわいい。
「?・・・どうしたのぅ?」
「ん。なんでもない。ただ、隆起が有名になって遠くに行っちゃいそうな気がして」
「行くわけないよぅ。僕はずっとルルナの傍にいるよぅ。大切な友達だから」
「そうだね。大切な友達・・・私たち・・・ずっと友達よね?」
「うんぅ。ずっと友達」
「大好きよ。隆起。友達として」
「うんぅ。僕もルルナが大好きだよぅ。友達として」
「乙姫セリカには本当に気をつけてね。すごく大変な子だと私思う。手を出したらお仕置きだからねッ。絶対」
「ははぅ。怖いなぅ。手なんて絶対出さないよ」
「隆起。私はあなたの大切な友達なんだからね!」
「うんぅ」
「隆起。私はあなたのことをすごく考えてるんだからね!」
「うんぅ」
「隆起。私はあなたの友達としてすごく心配してるんだからね!」
「うんぅ」
「隆起。私はあなたのこと本当に思ってるんだからね!」
「うんぅ」
「隆起。私はあなたを友達として大切に思ってるんだからね!」
「うんぅ」
「絶対! 絶対だからね!!!」
ははぅ。いくら美人でもぅ、自分を利用しつくそうという魂胆の女の子とは付き合えないと思う。
うーーんぅ。つけ麺うまい。
思わず本が出た。
ポン
https://kakuyomu.jp/works/16817330657253368253
うーんぅ。色々考えちゃうな。 こういうときは筋トレちくちくやろ。
懸垂ッ! 懸垂ッ! 懸垂ッ! 伊藤ッ!
・・・いつか最強になる日を信じてぅ・・・うおおおおおぅ。
テレビ局からまたオファーが来たぅ。僕が乙姫セリカと炎上しているものだから。
話題を当てかってぅ、何かクイズ番組に出て欲しいらしい。
断るべきかどうか迷う。
だってぅ、テレビ出演ってすごいお金が動くんだぅ。玉石さんとボディーガード代もあるしぅ。うちの家庭の今後を考えると。
玉石さんは言う。
「・・・でるべき・・・。お金が稼げないと強くはなれないから・・・」
「そうなんですかぅ?」
「・・・自由になるお金と、自由になる時間が冒険者の強さ。・・・強い冒険者になるなら絶対的にお金は必要・・・」
色々考えてしまうぅ。図書館栄養士として僕は戦って強くなることができるのかぅ? ただぅ、Bクラスまでだったらぅ、僕でもなれるって玉石さんは言うしぅ。母さんを守りたいし。
「・・・出ます」
今度はブジテレビは配慮してくれたみたいでぅ、クイズ番組の収録は録画で無事終了
150万の出演料は魅力だ。
ただぅ、僕はクイズに全然答えられなくてぅ、すごいカッコ悪い収録になった。
ただいいよねぅ?
お金のためだしぅ。これからの僕が戦って行くためにはお金があればあるほどいいかも知れないぅ。母さんに買ってあげたいものだってあるし。
そう思ってぅ、通帳の中のお金を考えて少しにんまりした。
ただ、クイズ番組での僕の活躍は不評だったけど。そのとき、司会のお姉さんについでとばかりに質問された素朴な疑問に答えたのが爆発。
テレビの発言で僕はさらに人気が出た。
司会のおねえさんがテレビで言った。
「ねえ。伊藤隆起くん。お姉さんね。仕事が忙しくて、全然恋愛できないの。なにか、そういう人間が恋愛できるアイディアってないかしら?」
「30分の大人恋愛クラブネットゲームを作ればいいと思う」
「えっ? でも、それじゃあ相手の素性もわからないし。性格もわからなくないかしら?」
「ゲームをやるときに人間性って出る。だから、ちょっとだけギャンブルをする感じで人間性が出やすいゲームを作る。そこを30分の恋愛ゲームとして、大人の未婚の男女だけで参加させる。アポカリプスゲーム」
これは図書館検索で調べた異世界の恋愛ゲームからアイディアを取った。
図書館検索
バリバリ。バリバリ
アポカリプスゲーム
すごろくをベースにしたギャンブルゲーム。男女がペアになって、30分のすごろくギャンブルを行う恋愛目的ゲーム。人生ゲームのようにダイスの数によって、お金の取り合いと他のペアとのバトルを行える。必ず男女1ペアで挑む形。異世界グルランツのエルフが別のエルフの集落との出会いの際に行うゲーム。ルグランツのエルフはこれを行うことで、繁殖力を上げて繁栄している▼
「まあ、おもしろそうね。シンプルだし、ネットゲームとして作れば確かに私でもいい恋愛ができそう。ありがとう。隆起くん。好きよ」
ちゅ
クイズの司会のおねえさんに僕はキスしてもらった。
それから、アポカリプスゲームはYAHOOが無償広告ゲームとして作って、大流行りした。
それで僕は全国の新しいカップルからモテるようになった。
「伊藤くん」「伊藤くん」「伊藤くん」「伊藤くん」「伊藤くん」
「・・・俺が恋愛できるなんてな。正直思わなかったよ。お前が俺とカノジョを出会わせてくれた。伊藤。俺はお前が好きだよ」
「30過ぎての恋愛として、私もやっと彼が出来ました。ありがとう。伊藤くん。感謝の言葉しかないわ。あなたが好きよ」
よかった。
ただモテるより、大勢の人に感謝されるのがうれしい。
そのときぅ、ルルナから電話が掛かってきた。
ピロン♪📲
「ごめん。隆起っ。今、私ピンチみたい。隆起に頼るべきじゃないんだけど、助けて欲しいのッ」
「ええっ。なにがあったの? ルルナ」
「ッ本当に今、いきなりひどいことになって。だから、隆起の助けが必要なのッ」
ルルナはひどく焦ってるみたいだ。理由をすぐに話してくれない。なにかぅ、パニクってるみたいだ。
「僕でできることだったら、出来る限りはしてあげようって思うけど・・・~!」
「それならお願いッ。隆起のためでもあるのっ。助けて隆起っ」
うーんぅ。なにがあったんだろう。ルルナ。
そして、乙姫セリカが笑っていた。
「ああ♥ ウサギちゃん~♪♥ 私が政権与党の植松幹事長と仕込んだ♥アンチを使ったメディア作戦が成功しちゃいました~♪♥ これであなたはボロボロになって♥私しか愛せなくなります~♥♥♥ さあ、私の愛を受け取ってください♥ 明日あなたはキャンディみたいに私に食べられちゃいますッ♥♥チビウサ伊藤くんッ♥」
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