第6話 模擬戦1

 私とシノアさんは訓練場に向かって歩いている。

 訓練なんて一回もしたことないのに大丈夫なのかな。銃だって今日初めて持った...のに......?

 本当に初めてだっけ......?

 私はふと疑問を浮かべる。銃の反動、重さ、血生臭さ、全てが脳の中で再現される。どうして......?どうして再現できるの?どうしてわかるの......?


 「......もう、嫌だこの世界......」


 「ねえ、モエちゃん。着いたよ」


 考えていたらいつの間にか訓練場の目の前まで着いていた。ただただ大きい、そんなことを思った。


 「いい加減にして!」


 訓練場から声が聞こえてくる。その声はどこか幼く聞こえる。私とシノアさんは訓練場の中へと入っていった。







 「何度言ったらわかるの!私のほうが強いんだから!」


 目の前には二人の少女が言い合っていた。訓練場から聞こえてきた声の主だと思われる少女は身長がおよそ155cmぐらいで私たちと同じ制服を身に着けており、赤髪ロングに青色の瞳を持っていた。


 「はぁ......何言ってるの?私のほうが強いに決まってるの」


 もう一人の少女は群青色の髪をしたツインテールの少女だった。身長はもう一人のほうよりほんの少し高いぐらいに見えるが誤差の範疇でしかない身長の差だった。

 

 「も、モエちゃん。い、行こっか」


 「は、はい......」

 

 私はシノアさんに返事をし、通り過ぎようとしたところ例の二人に絡まれてしまった。


 「私たちと模擬戦をしなさい」


 「うん、いいよ」


 シノアさんはあっさりと承諾してしまった。私は焦りシノアさんのほうを見ると禍々しいオーラが出ていた。


 「ひっ......ほ、本当にやるんですか......私たち訓練受けたことないんですよ......?」


 「丁度いい機会だからやるに決まってるよ!完膚なきまでにボコしてあげるから覚悟して            

 ね?」


 「完膚なきまでにボコされるのはあなたたちのほうなんだから。覚悟しなさい!」


 シノアさんと赤髪の少女はお互いにお互いを睨み合っていた。そんな中、私は群青髪の少女に話しかけられた。


 「あの、お名前なんていうの?」


 「わ、私はも、モエっていいます......あ......も、もう一人はシノアさんっていいます......」


 「私はアイ。もう一人はイルというの」


 アイという少女はもう一人のイルとはちがい、とても落ち着いている。落差がちがう、そんな感じがした。


 「それより軽くルール説明をするわ。ルールとしてまず範囲はこのフィールドの中、ニ対      

 ニで戦闘不能になるまで戦い続ける。それでいい?」


 「うん、それでいいよ」


 イルに軽くルールを説明された後、各自配置につき模擬戦がスタートした。


 この模擬戦でのフィールドは森である。そのため視界があまりいいものとは言えない。それに加え、落ちている枝や葉にも注意しなければならない。踏んでしまえば、音によって相手に私たちの位置がバレてしまう。しかし、それは相手側も同じなため互いに気が抜けない状況だ。


 「し、シノアさん......わ、私...どうすればいいですか......」


 「とりあえず待機。それと単独行動していいよ」

 

 私はシノアの言うとおりにその場で待機することにした。私とシノアさんの位置は結構離れている。そのため、相手に見つかったらある意味終わりだろう。


 「み、見つかるわけないよね......!」


 その瞬間、私の隣にある木に銃弾が着弾した。着弾した箇所を見ると赤く光っていた。私は嫌な予感がしたのでその木から急いで離れる。


 「し、シノアさん......!私の位置が相手にバレました......」


 「モエちゃん。ごめんね?今現在進行形で私もバレてる」


 悲しことにシノアさんも相手に位置がバレている。だけど私は相手がどこにいるかわかっていない。一方的に相手が私の位置をわかっている。

 私は距離をとりながら、相手の位置を把握しようと試みる。しかし、不幸にも嫌な予感は的中し着弾していた箇所から銃弾が音を出しなら爆発した。

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