感情を失った僕は《厄災、破滅、絶望の女神》と一緒に住むことになりました。

牧村和樹(グレイレッド)

第1章 はじまり

第1話 女神様の出会い

 彼は小学、中学、からずっと家族、先生、生徒からいじめられていた。


 そして高校に入ってからもいじめは続いている。


 最初は泣いたり表情に出していたが、気付いたら何も感じなくなり感情を失っていた。


 感情を失ってからは何も感じないのか、生きているということもわからなくなっていた。


 これから彼はどうなるのか良くわからない状態になっていたが、一つのきっかけが環境を激変させる。


 それは、ゴールデンウィーク始まる前の授業が終わり、放課後に帰ろうとするといつもいじめてくるグループに声を掛けられて、体育館裏に連れてかれる。


「さあさあ、行くぞ」


 一人の男生徒の掛け声により3人で彼に殴り始める。


「こいつ泣かないし、叫ばないし、サンドバッグですな」


 彼は殴られ続け、気付いたら膝をつき倒れていた。


「おいおい、ほどほどにはしておけよ」


 中年の男が複数の男生徒に声を掛ける。


「先生、大丈夫ですよ。どうせばれる心配や問題にはなりませんよ」


 男生徒は答える。


「確かにそうだな」


 先生と言われた男は答える。


「いざっとなったら、父親に頼んで何とかしてもらいますよ」


「それはありがたいな」


「後は、先生からもお願いはしたいですな」


「そこは私からも校長、教頭にお願いして味方についてくれるから大丈夫だ」


「ありがとうございます。先生」


「後はこいつの親にも問題はないから大丈夫だ」


「確かにそこは安心ですね」


「こいつの親は息子と思ってないみたいだからな」


「そりゃあ酷いですね」


「調べて聞いてみたら、小学、中学とずっと家族、先生、生徒にいじめられ続けていたらしいからな」


「それは小学、中学、同級生な俺もいじめ続けていますからね」


「高校入って収まるかと思ったのか、本当に運が悪いよなこいつは」


「まあ、こいつはいじめられる星に生まれたんでしょうね」


「違いないな」


 みんなで笑い始める。


「さてさて、明日からゴールデンウィークだからな、こいつをほっておいてみんな解散するぞ」


「わかりました。では、先生ゴールデンウィーク明けまでさよなら」


 先生は倒れた彼から離れていく。


「さて、お前もゴールデンウィーク明けも殴られ役になって3年間、俺らのサンドバッグだからよろしくな」


 倒れている彼に言い、男生徒たちは離れていく。


 「………」


 倒れていた彼は意識が覚醒しはじめ目がぼやけた状態で何とか立ち上がろうとして視界を確認しようとすると目の前に女が立っていた。


 彼女との出会いが彼の人生を大きく歪ませて、環境を変えるきっかけなるとは、この時は思ってもいなかった。


 同時に今まで彼をいじめで関わって来た人達が破滅的、絶望的な状況に追い詰められて行くとは、この時は誰も思わないだろう。


 ここから厄災、絶望、破滅の女神様と彼の物語は始まる。

 






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 どうも作者です。


 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534

 

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