初恋は花火のように(day19 爆発)

彼は寡黙で笑わない。


級友として名前だけを覚えていた。


音楽祭。


ピアノを弾く彼は別人だ。


踊るように飛び跳ねる指。


時に固く時に柔らかい音色。


全身からメロディーを溢れさせる姿に胸の奥から火花が迸る。


一際激しく鍵盤を叩いた瞬間彼が顔を上げた。


弾けるような笑みに私の胸は遂に大爆発を起こした。

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