レプリカ制作の理由(day16 レプリカ)

「レプリカに価値なんてない」


通行人の会話を聞きつつ木を彫る。


資料を見ながら寸分の違いもないように。


完成品を見て依頼人は目を潤ませた。


「お祖父ちゃんのバイオリンだ」


細かい傷跡等追加で最終調整する。


「昔を思い出せた。ありがとう」


熱くなる胸を抑えつつ次の誰かの思い出再現に取り掛かる。

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