七夕の裏切り(day7 洒涙雨)

「先に帰ったのか?」


彼からの通知。


私は携帯をベッドに投げた。


机に叩きつけた鞄からは親友と揃いのぬいぐるみが揺れる。


口の部分に親指の爪をたて押し潰した後ゴミ箱に捨てた。


窓辺には小ぶりの笹。


『ずっと一緒にいれますように』


吊るした短冊を握り潰す。


外は満点の星空。


心は洒涙雨で満たされた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る