感想を問われれば、美しいのひとこと

初めまして、貘餌さらと申します。
非常によくできたホラーミステリだ、と読了後にほうとため息をつきました。
ミステリを読み慣れている人、トリックを飽きるほど見てきた人ならば、途中で「この物語の語り手である主人公は本当に人間だろうか?」と気づくことかと思います。
しかし、それに薄ら気づいていながらも読み進めることをやめないのは、ひとえに女子高生シーが納得するところまで見届けたいと感じる魅力があるからだと思います。
どこまでも懐疑的で真実に拘泥するシーと、自らの存在を世に知らしめたい木元宗。
そんな二人が実在したと思わせるラストと、その信憑性を高める著者の木元宗様。
ウェブ小説としてとても完成度の高い作品だと思いました。
おや、貘餌さらという人間はこの物語が事実だと信じていないな?と思っておいででしょう。それはこのお話が事実であった時、私に不都合が生じるからということにしてください。蛇足までに。
素晴らしい作品を世に放ってくださって、ありがとうございます。