第52話:激闘

 中華と北の妨害工策は執拗で陰湿だった。

 沿海州の住人に偽装した者が自爆テロを繰り返してきた。


 現地住民への先制攻撃が絶対に許されない自衛隊は、戦友が次々と傷つき倒れた。

 不幸中の幸いは死者が出なかった事だが、これは時間をかけて鉄壁の防御陣地を築く事が許されたからだ。


 沿海地方政府が協力的だからよかったが、そうでなければ僕を含めた半数が死んでいたかもしれない。


 危機感を覚えた沿海地方政府は、生き残っていたモスクワ臨時政府が派遣した軍人と自警団に協力を要請して、中華と北の工作員狩りを行った。

 これが原因となって、沿海国人が中華と北を嫌悪する下地となった。

 

 大きなけがをした自衛官は、沿海地方政府の許可を受けた、護衛艦搭載哨戒ヘリコプターMCH101で護衛艦にまで運ばれ、医務官による緊急手術を受けた。


「小隊長、夜陰に乗じてビキンダンジョンにまで行きたいのですが、可能ですか?」


「ご両親と連絡が取れたのですか?」


「はい、念のために確認しますが、中華や北の罠ではありませんね?」


「お父さんとお母さんは拷問されても秘密の符丁は話しません」


「分かりました、連隊長の許可を取っています」


 ☆宝船竜也のライブ配信


Benno:すごい、ビキンダンジョンモンスター討伐がライブ配信されるぞ!


Kenneth:これも合衆国がお膳立てしたおかげだ!


管理者:アカウントKennethは通報により凍結されました。

   :過去のチャットも消去されます。


豚キムチ:けっ、合衆国人は二度と来るな!


みゆき命:ヤンキーゴーホーム!


Benno:今回はしかたがないな。


ノンバア:合衆国人はしばらく見る専門にした方が良い。

   :何を投稿しても反感を買って通報される。


ゆうご:あんな奴の事は放っておいてライブに集中しようぜ。


Rafael:そうだな、人類の命運がかかっている。


豚キムチ:まさか、竜也君1人で戦う気か?


みゆき命:ウワサではご両親が加わるはずだぞ。


藤河太郎:中華と北が執拗に妨害していたと聞いている。


雷伝五郎:待てずに独力で倒そうと言うのか?


豚キムチ:まさか、ご両親に何かあったのでは?!


みゆき命:不吉な事を言うな、そんな事はありえない!


Benno:おい、止めろ、ここで争うな!


ノンバア:だいじょうぶ、タカラブネファミリー最強の2人よ。

   :中華や北ごときにやられるはずがないわ。


ゆうご:そうだな、竜也君が動いたのだから、合流したのだ。


藤河太郎:もしくは現地で合流する事になったのだ。


雷伝五郎:ドキドキして来たぞ!


Rafael:視聴人数が5億人を超えたぞ!


豚キムチ:こんな急なライブ配信なのに、良く集まったな!


みゆき命:人類の命運がかかっているんだ、みんな寝る間を惜しんで待っていた。

    :5億人程度だと少ないくらいだ。


Benno:静かにしろ、竜也君が境界線を超えるぞ!


ノンバア:だいじょうぶ、戦友がドローンを動かしてくれているわ!


ゆうご:こうなると、モンスターの行動圏が広がって良かったのかもしれない。


Rafael:ああ、モンスターを竜也君から離せる。


藤河太郎:うお、光った、三カ所で光ったぞ!


雷伝五郎:3つの光がモンスターの所に放たれた!


ノンバア:以前竜也君が放った炎嵐とは別物よね?!


Benno:ああ、違う、あれとは全然違う!


豚キムチ:必殺技を隠していたなんて、さすが日本人だ!


みゆき命:中二病こそ日本人の本質だ!


ゆうご:3ケ所が光ったと言う事は、ご両親が駆けつけたのだな。


Rafael:合体技、本当に日本アニメのようだな!


藤河太郎:それよりもモンスターだ、モンスターを倒せたのか?!


★★★★★★


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