心療内科の友美さん達の夜更かし読書会 夏休み!

@pusuga

第1話 ●榛原 朔 様 蜜柑の対策を読んで読書会復活しちゃいました!

◎今回の読書会作品

 榛原 朔 様

 蜜柑の対策(小説家になろう)


◎今回の読書会参加者

・加納友美 

 動物と話しが出来る大学一年生。

 どんな状況や作品にも、なりきりスキル発動により対応可能。

・カマキリのカマッチ

 国語力のあるカマキリ。解説役。

・イグアナのイグッチ

 ゆっくり過ぎるイグアナ。

・ブルドッグのブルーザー

 飼い主がダジャレ好き。



ガタンゴトン…………


 私は高校卒業後、獣医になる為に東京の大学へ進学。夏休みを利用して、故郷である四国に久しぶりの帰省する為に電車に揺られています。


 (結構時間かかっちゃったな。帰ったらのんびりしよっと♪)


 夜22時、私はようやく自宅へと到着、両親と一通りの交わりを済まし自室へ戻りました。


 ガチャ


「やあ友美ちゃん。おかえり。東京からこの四国までは永永無窮の様に感じたんじゃないか?」


「え?カマッチ?!」


 カマッチはテーブルの上で、両手のカマを広げて威嚇するかのポーズで私をお出迎え。


「バウバウバウ!例のウィルスで規制がある中、帰省!」


「…………」

(ブルーザー……相変わらず調子悪いね……一体いつになったら復活するの?)


 ブルドッグのブルーザーは、犬用の骨型ガムをカジカジしながら、相変わらずの寒いダジャレで歓迎。


「……お……か……え…………り……な………………さ……」


「あ〜ハイハイ。イグッチは挨拶もゆっくりで会話のキャッチボール成立しないから、社交辞令はいらないし、長旅明けでそれやられちゃうと疲れがどっと増すから、極力発言は控えてね」


 イグッチはカマッチの横でスイカをシャクシャク食べながら、相変わらずのゆっくり発言で挨拶。


「千里結言、約束通り友美ちゃんが戻って来たから、早速だが読書会を始めようじゃないか」


「え?カマッチ、今から?!」


「無論だが?何の為に僕らが集まっていると思うんだい?」


「…………」


「バウバウバウ!読書会はまさに中毒症状バウ!」


「…………」

(ブルーザー……わかりにくいダジャレはやめてね)


「今回の作品、蜜柑の対策と言う作品は、事故で人生を終えた主人公の少女が、神秘的な未来世界に蜜柑の木として異世界転生してしまうと言う物語だ。とにかく夜はまだまだこれからだ。皆で読み進めよう!」


「あ、うん……」


 久しぶりの帰省直後から強制的に始まる読書会に、私は戸惑いながらも、どこか嬉しさも感じていました。


 2時間後。


「フーッ……まずは僕からいいかな?」


「あ、うん!いいよ、カマッチ!」


「この作品はあらすじを読んだ時は、木に転生してしまうと言う珍しい設定だなと思ったよ」


「そうだね!なかなか他の作品にはない設定だよね?」


「そうなんだ。だから、どの様に物語が展開していくかとても興味深かったし、ある程度予想をしながら読んだが、見事に裏切られたよ!」


 カマッチは両手のカマと羽根も広げながら興奮してる様子です。


「そうだね!私はコメディ寄りの作品かと思ったよ!」


「だが、実際には主人公の蜜柑の木の存在から生み出される、登場人物達の人間模様とそれにまつわる様々な事件を描いたファンタジーアクション作品だった!見事だと思ったよ!」


「こ……の……作……品は………り……っ…………ぱな……群……像……劇で……文……………体……」


「あ〜ハイハイ。イグッチはこの作品は立派な群像劇的な作品で、文体も読みやすいって言いたいんだよね?イグッチは読むのもゆっくりで、朝になっちゃうから発言は極力避けてもらって、読むのに集中してて構わないからね。あと久しぶりだからツッコむけど、小さい【っ】は前後どちらかの文字とくっつけてね」


「今、文体の話しが出たが、この作品の表現方法や語り手は文芸作品に近い物を感じた。とにかく描写が細かい、それは時にはスローテンポと判断されて賛否両論あると思うのだが、僕はこの作品が持つ、登場人物の掛け合いのコメディ要素と細かい文芸作品の様な描写のギャップがメリハリがあって良いと思うんだ」


「私もそう思うよ!特に時々蜜柑さんの発言や叫びがクスッとしちゃう所あるもんね!」


「みかんさんだけに未完成!バウバウバウ!」


「…………」

(それ、作者さんも仰ってたよね?人のネタ、パクってすべるなんて絶対やっちゃいけない行為だよね?)


「わ……た…………し……も……よ……そ……」


「あ〜ハイハイ。イグッチは私も予想を裏切られて、すごく楽しい作品だって言いたいんだよね?でも、もうそれは私とカマッチで既に話してた事だから、ゆっくり発言の上にコメントかぶりしなくていいから、発言は控えて読む事に集中しててね」


「この作品の影の主人公と言っても過言じゃないアオイさんが、和服の着物を着用していると言うのは驚いた!神秘や精霊などファンタジー世界が舞台の作品で普段着として和服を来ていると言うキャラは他ではあまり見た事ないぞ。それに他のキャラもしっかりと立っている。みかんさんを中心としたキャラ同士の掛け合いからの状況・情景描写の細かさの賜物だと思う!」


「そうだね!」


「バウバウバウ!この作品は次話への引きがうまいと感じたエピソードもあったバウ!」


「そうなんだ。ブルドッグさんのいう通りなんだ。具体的な箇所はネタバレになるから避けるが、え?と思わせて、次話をすぐ読む。しかし、その事は冒頭であっさり解決する。しかしそれが元になり、更なる展開が起こる。読者を飽きさせないと意識している作者様の意図が見えるんだ!」


「やっぱり大きな移動が出来ない木って言う設定って難しいよね?」


「そうだな。そういう難しい設定の中で、様々な人間模様や細かい情景描写を多く織り込む事で、物語の世界観を広げているんだ」


「バウバウバウ!作品に登場する神秘の力で新品に!バウバウ!」


「…………」

(ブルーザー……せっかく真面目に話してたのに、つまらないダジャレで、割り込むなんて最悪だよ……あなた絶対友達いないタイプでしょ?しかも神秘の力で新品って……新品ってワード自体が今何も関係ないよね?見切り発車はホドホドにね)


「後は、この作品の中で銘肌鏤骨と言ってもいい僕が忘れられない文章があるんだ」


「え?そうなの?」


「ああ。それは【生物の一生で大切なのは自分の意思】と言う文章だ。これは作中でも解説されているが、強い心を持てば時には神秘的な力を発揮出来ると言う事だ。友美ちゃんも強い心で獣医になる為に大学に進学したんだろ?」


「あ、うん!」


「つまりそれは自分の意思だと言う事だ!だからこれから先、色々な事があると思うが、決して自分の意思を曲げず強い心を持つんだ!」


「うん!わかった!」


「わ……た……し…………も……つ……よ…………い……ここ……」


「あ〜ハイハイ、イグッチわかったよ。イグッチも強い心で頑張って生きて行くって言いたいんだよね?でもイグッチは大学なんか行ってないし優しい飼い主さんの所でのんべんだらりと生活してるんだから、あんまり頑張る必要ないからね。しいて言うなら頑張って喋るスピードを上げてね」


「ちなみにこの作品は作者様のシリーズ作品の一つなんだ!あらすじにも記載があるが、地球神話〜誰かの心の物語〜と言う、作者様が掲げる壮大な世界観の物語の一部なんだ」


「そうなんだね!じゃあドンドン読み進めて世界観を満喫しなきゃね!」


「バウバウバウ!鉛筆の芯はギリシャ神話に登場するのか?バウバウ!」


「…………」

(ちょっと強引過ぎない?長旅直後の読書会だから、疲れる行き当たりばったりのダジャレは本当にやめてくれないかな?)


「因みにこの読書会は明日から毎日開催するらしいぞ」


「え?明日から毎日?」


「ああ。僕も忙しい合間にちょくちょく参加するからよろしくな」


 私はセリフ棒読みスキル【棒姫】を自然発動。

「うん。わかった。ちょくちょくね。嬉しいな。楽しみだな」


 私は明日から連夜の読書会に絶望を抱くと同時に、帰って来たんだ!と言う懐かしい気持ちに心は充実していました。



作者 榛原 朔 様

今回はありがとうございました!


今回の作品はこちらからどうぞ!

https://ncode.syosetu.com/n1829ie


 





















 


 




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