Day12 門番

 子どものころから、なにか悩んでいるときや、なにかしらの選択をしなければならないとき、決まって見る夢がある。


 巨大な太陽の下、草一本はえていない、むきだしの大地に立つ大きな鳥居のような門。

 出てくるのは、毎回おなじ門なのだけど、パターンはふたつある。

 ひとつは、くぐることも引き返すこともできずに、ただじっと門のまえで立ちつくしているパターン。

 もうひとつは、門番がいて門を通るようにうながされるパターンだ。


 前者の場合、進んでもうまくいかない。頓挫する。

 後者の場合、自分の思うとおりに進んで正解。


 占ってもらったわけではない。夢と、その後の現実を照らしあわせた結果である。今のところ八割方あてはまっている。


 そろそろまた、門の夢を見そうな気がする。しかし今回は夢に問うまでもない。

 門番がいようがいまいが、進んではいけない。進んでしまったら、人としてダメであることは明白なのだ。けれど、そう簡単に止まれるなら最初から悩んだりしないわけで。


 もしも門番が出てきたら。それはハズレの二割で、きっと私の願望なのだろう。

 そのとき、はたして私は踏みとどまることができるのか。

 あまり、自信はない。


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