蛙の歌

 夏祭りの帰り道。

 蛙の鳴く夜道を、金魚袋を手にした浴衣姿の少女が歩いていた。

 次第に蛙の声が大きくなってくる。

 不安を感じつつ歩くと、足元には複数の蛙がいた。

 気味の悪さに逃げるが、数は増え少女を取り囲む。

 少女の悲鳴は、蛙の歌に飲み込まれる。

 朝になり、その場所には金魚袋だけが残っていた。

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