酒は飲んでも飲まれるな

 アル中の治療を受ける男がいた。

 だが、酒への渇望が我慢ができず酒を買い込んだ。

 酒を飲んだ彼は、忘却と幸福感に溺れた。

 酒瓶をじか飲みしていると、舌が酒瓶に吸われ始めた。

 凄まじい力に舌だけでなく、頭、胸、腰、脚が飲み込まれていく。

 発見された時、男は一升瓶の中に圧縮され飲み込まれていた。

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