第27話 隣町


「これってなんてトカゲ?」

「サラマンダーだってさ」

 鑑定でみたらそう出ている。

「へぇ、サラマンダーもそうでもなかったな」

「よく言うぜ」

「っと、それより次行こうぜ」

「あぁ、先を急ごうか」

 車に乗り込むと発進する。

 車の中ではさっきのサラマンダーの事で盛り上がっている。


 もう何も起こるなよと思っていると起こるものだ。

「前方馬車が襲われている。助けるか?」

「「おう!」」

 車で馬車の周りを走って盗賊を退かすと降りて行く。

「おうテメェら盗賊なんてやめとけ」

「なんだと!火のトカゲ団をしらねぇのか?」


 サラマンダーからとりやがったな。

「いいからとりあえずかかってこいヤァ」

「ウオオオオォォォォ」

「ファイヤーウォール」

「サンダーバレット」

 エリーとサティが魔法で牽制する。

「魔法使いか!」

「いいえ違います!」

 ダイジロウが投げ飛ばす。

「やっちまえ!」


 と言ってる間に盗賊ほとんどをケンタと俺で斬って捨てると残ったのはほんの数人。

「に、逃げろ」

「逃さないって!」

 ダイジロウが受け止めて投げる。


 結局全員お縄になったところで馬車の中から綺麗なお嬢さんがでてくる。

「こちらラディッツ伯爵のご令嬢でローレイア様です」

「この度はありがとうございます」

「いえいえ、それでは僕らはこいつらのアジトに向かいますので」

 アジトを聞き出すように意識があるのを何人か作っている。

「どうぞ先を急いで下さい」

「分かりました。次の街アーリアにいますのでその時にでもお礼を差し上げます」

「分かりました」

 馬車は無事なようで走って行く。


「綺麗な人だったな」

「ダイジロウにはサティがいるでしょ」

「そうだな」

「それよりもアジトは何処だ?」

「こ、こっちです」


 山に入って行くと直ぐに小屋を見つける。

「ここか?」

「はい」

 中に入って行くと、

「ちわー!って最悪だな」

「うわ、まじかよ」

「女盗賊だった」

「あんたらなんだい!やっちまいな!」

「はぁ、仕方ない、やるか!」

「おお」

 やる気のない返事をする。

 縛り上げるとなんとか大人しくなった。

 中を漁ると金貨がどっさり。

「はぁ、これを隣町まで連れてかないといけないわけだ」

「殺せよ」

 女盗賊はいうが、

「やだね!」

 また荷馬車を見つけたのでそれに詰め込むとぎゅうぎゅうだが入った。

 車で荷馬車を引いて隣町まで行くと門兵に引き渡す。

「こ、こいつらは火のトカゲ団じゃないか!」

「わかるんかい!」

「だってこの刺青はそうだろ!お手柄だったな」

 賞金首らしく報奨金もガッツリもらう。

 ギルドにいくと普通の受付嬢のようなので、盗賊退治の報告をして討伐金をもらい、みんなの分の宿を取る。

「なんで盗賊なんかになるかね」

「さあな?」

「いい気分はしないよな」

「だな」

 盗賊でも女を捕まえるのはちょっと嫌だったな。


 アーリアの街は栄えていて少し観光をしようと言うことになった。


 そのあとラディッツ伯爵家からお礼と言う事で執事から白金貨を三枚もらい、あっさりとお礼が終わってしまった。

「あっさりしたもんだったな」

「これで恋が芽生えたりは」

「しないだろ?」

「えぇー!」

「ダイジロウガンバ!」

 サティに励まされているダイジロウは期待していたようだった。

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