第9話 巣


「オークかぁ、どこもおおいんだな」

「しゃーねぇ、オーク退治もして行くぞ」

 サティは緊張でガチガチだ。

「後ろから一発当てればいいだけだからな」

「うん」

 車で移動しているとオークが一匹でいた。

 ちょうどいいとオークを取り囲んでボコボコにする。

「サティ、ここに矢を当てるんだ」

「はい!」

“ペチッ”

 と当てた後にオークの首を狩る。

 すぐにアイテムボックスにいれると。

 サティが苦しんでる。

「何かあったのか?レベルアップ酔いか」

 急激にレベルアップしたから酔ってしまったらしい。

「大丈夫です」

 青い顔で言われてもね。

 サティは後ろで寝てもらい、俺らだけでオーク討伐を開始する。 


 オーク多いな、また巣になってんじゃないだろな?

 車を降りて十体ほどのオークを倒す。


「これ絶対巣があるよ!」

「サティもいるしこの辺でやめとくか」

「だな」

 車に乗って街に戻る。

 ギルドに行きオークの巣があることを伝える。

「たぶんだけど、オークが多すぎる」

「ギルマスに伝えて来ます」


「オークの巣があるってのは本当か?」

 ギルマスが降りて来た。

「たぶんね。オークが多すぎる、ちょっと行っただけでオークが十体以上いたから」

「そうか、まずは冒険者に徹底してオークの巣に近づかないことを張り紙しておけ!そして討伐隊を結成する。斥候を出してオークの巣を観に行かせるんだ」

 そうそう、頑張ってくれよ。

「おい、何をお前たちは思っている?お前たちにも参加してもらうぞ?」

「こっちにはFランクにもなってない子供がいるんだよ」

「子供は置いて行け」 

「まじかぁ、またオークの巣かぁ」

「臭いんだよなぁ」

「やだなぁ」

「嫌だじゃない!これはギルマス命令だ!」

「はいはい。行けばいいんでしょ?」


 俺たちは討伐隊が揃うのを待つ。

 Aランクチーム二チームにBランクチーム三チーム、そして俺らか。

「それではこれよりオークの巣討伐に向かう!ここはAランクチームである『宵闇』がとりしきる」

『おう』

 まずはこのチームについて行けばいいか。

「サティはちゃんとここで待ってろよ」

「はい」

「じゃあ出発だ」


 オークの巣があるらしき森の中に入って行く。散発的にでてくるオークを素早く処理するのはビックリだ。

「ここだな、Aランクチーム『韋駄天』は裏から、Bランクチーム二チームも裏に回ってくれ」

 俺たちは表からか。

「それじゃあ作戦開始!」

 作戦なんてなかっただろうが!

「ウォオオオオオオオ」

 オークとの乱戦のなか、俺たちはオークを狩ることに専念していた。

「おらっ!」

「せや!」

「どりゃぁ!」

 ここは前より規模がでかいな。

 アイテムボックスにオークを入れつつ周りを確認する。さすがにA Bランクのチームだけあって頼もしい。 

 楽に巣を壊滅できると思ったらジェネラルが二体出て来た。

「散開!ジェネラルを討伐するぞ!」

『おう』

 俺たちは周りのオークの片付けをしている。

「うぐあ!」

「リーダー!」

「大丈夫だ!」

「やるぞ!」

 ジェネラルとまともに撃ち合っている。

「行けるぞ!」

「ウォオオオオオオオ」

「グオオオオオオオオオオォォォ」

 リーダーがジェネラルを倒してる間にもう一体のジェネラルま倒されていた。

「うおー」

 さすがはAランクだな。

「グオオオオ」

「オークキングだ!」

「やっぱりいたのか!」

 オークキングの一振りで薙ぎ倒されるAランクチーム。おいおいこれはヤバいんじゃないか?

「まだだ!」

「行くぞ」

 果敢に向かって行く全チームだがなかなか攻撃が通らない。

「俺らも行くぞ」

「「おう」」

 魔剣持ちだからなんとかついて行っている。ダイジロウがタンクになって攻撃を止めている間に俺とケンタが足を斬ると動けなくなったようだ。

「いまだ!」

「畳み込め!」

 オークキングをなんとか倒して、ほっとしていると、Aランクチームのリーダーがこちらにやって来る。

「今回はありがとう、君達のおかげでオークキングをら討伐できたよ」

「そんなことないですよ、みんなで勝ち取った勝利じゃないですか!」 


 そのあとは小屋を焼いて回る。

 捕まった人達は皆屍になっていた。

 全員で弔って戦利品を持ってギルドに帰る。


「よくやってくれた!これでオークの巣の被害も無くなるだろう!」

 討伐金は一チームにつき百万ゼル、そして戦利品にオークの換金したものからでるのでそれなりの金額だ。

「君達はBランクに昇格だ。よくやってくれた」

「はい、ありがとうございます」


「お帰りなさい」

「ただいまサティ、いい子にしてたかい?」

「うん」

 サティも心配していたらしい。

 

「あいかわらずパパやってるな」

「うっせぇ、馬鹿タレ」

「なんだと」

「はいやめやめ!」

 ほんとにダイジロウは!置いてくぞ!


 ギルドから出ると夕陽が綺麗だ。

「よっしゃ、肉食うぞ肉!」

「お前には情緒が、わからんのかい!」

「うっせぇー!楽しみと言ったら飯だろ」

「ダイジロウ、馬鹿?」

「そうだよサティ」

「変なこと教えるなよ!」

 飯屋までの距離を馬鹿話をしながら歩く。


「お前エール飲み過ぎ!」

「ん?こんなんじゃ酔わねーって」

「じゃねぇよ、飯代が高くつくだろ?」

「大丈夫だって、今日は稼いだだろ?」

「お、今日はお疲れ!」

 Aランクチーム『宵闇』のメンバーだ。

「あ、お疲れ様っす」

「いやぁ、君たちがいなかったらオークキングにやられてたよ」

「そんなことないっすよ」

「いや。あれだけ三人でやれたら十分だよ」

「あははは、ありがとうございます」

 結局『宵闇』との合同で飲み会が始まった。

「あの武器はどこで手に入れたんだい?」

「そりゃガ「秘密ですね」」

「やっぱり?どうしても?」

「そりゃダメですよ」

「あははは、やっぱりだめかぁ」

 ガチャのことは流石に言えないよな。

「宵闇もいい武器持ってるじゃないっすか?」

「あぁ。これかい?オークキングで欠けてしまったんだよ」

「それは大変ですね」

「でだ。その武器売ってくれない?」

「まだ狙ってたんですか?」

「あははは」

 お開きになってサティを担いで帰る。


 いい夜だった。

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