闇暴きの中二病〜俺は中二病だが、ただの中二病ではない!〜

イセ

第1話 入学式

俺の名は北川 佐久。

世界最強にして、左手には邪神、右目には邪眼を秘めしものだ。

そして、今日はあの魔剣ロスの眠っていると思わしきディアボロス学園に入学するのだ!

この世界のものは東京国立高校と呼んでいるらしいがそんな事はどうでもいい。

取り敢えずは悪の瘴気を纏ったこの扉を開けなければならないのだ。

しかし、本当に開かないな


「くっ、この量の瘴気を纏うだけはある。

ま、まさか、これが第二の入学試験ということか!

クソっ俺の力だけでは開かぬか

ここで左手の封印を解けば、開けるが、この学園が崩壊してしまう。

かと言ってこのまま瘴気をほっとくわけにもいかぬのだ!うおおおおーーーー」


「入学初日から何をしてるんだ?

もうHRを始めるから早く教室に入れ」


な、何故常人がこの扉を開けられるというのだ!

「ま、まさかお前魔王の刺客だな!」


「はい、HRを始めるぞー

早く席につけー」


「っておい、無視するな!」


「座れ!」


「くっ、強者の威圧か!

仕方がない」

しかし、俺より強い威圧を放つものがこの世にいたとはな


『センセー今日は何をするんですか?』

『私も、私も気になってた!』


「教えてやろう、モンスターと戦うんだよ。」


『なんかあいつヤバくね』

『そういう事言ってやんなよ、中二病ってやつだ』


どうした、怖気づいたのか?

邪神を宿すこの俺について来い、さすれば魔王討伐までこの北川 佐久が導いてくれよう」


「この後すぐに体育館に移動して校長先生のありがたいお話を頂戴する。

今日、テストをする。

その結果次第でクラスを決める。

その後はそのクラスの担任に聞け」

「では、各々10時までに体育館に着いているように!

HRは以上だ。

時間厳守で頼むぞ!」


『今8時なのになんで10時集合なんだ? それまで、誰か俺と話さないか?』

『じゃあ俺もそうするわ』

『私も』………


バカ共め、何も分かっちゃいない、所詮はただの人間ということか。

体育館と見せかけて魔剣の眠る館への道を譲っていることに気づいていない。

俺は今のうちに館を探させてもらおう。


そう思い立ち上がると俺を見たやつが数人いたが、何も言ってこずただ俺を目で追うだけだった。

「はっ、最強と孤独は表裏一体だから仕方の無いことだな」

そんなこんなで俺は体育館までの→マークを辿って進んだ。

→に沿って行ったが校庭らしき所に出た、横にはマップ。

「そういうことか、このマップからは一人で行けと、そういう事だな」


そこには学園の中に何があるか等、事細かに記してあった。


森の中に体育館はある、森に入ってから3キロとは短くないか?

人の平均徒歩時速は時速2.9〜3.6キロのはず、そこから考えれば1時間もあればつくはずだが…


「そうか!モンスターが出るというのだな!

よし、この俺のダークマターで滅ぼしてくれる」




_________________やっと着いた。

俺より先に行ったものがモンスターを全滅させたのか?道中全く出会わなかったのはおかしい。


「魔剣が眠っている学園だというのにモンスターを引き寄せないなんて、も、もしかして、この学校には上級魔術師がいるというのか!

常人ではありえない、結界の広さだぞ。

俺以外にできるやつがいたことには驚きだ」


「お、お前が高1〜高3までで一番速いとは驚きだ、北川」


「魔王の刺客か、何故お前がここに」

しかも俺より着くのが早いなんて!


「私はお前の言っている魔王の刺客とやらではない。

それとお前はSクラスだ。

この学園ではなにも学力だけで評価を決めているわけではない、テストは勿論だが、人間性や運動神経その他にも様々な観点から生徒を評価している。」


「それはまあどうでも良いのだが、この館に眠ると言われている魔剣ロスを知らないか?」


「体育館なんだがな………あいにく私は何も知らない。

あと、そのー、1つ聞いていいか?」


「この俺様に何のようだ?」


「お前は中二病とかいうやつなのか?」


こいつは何を言ってるんだ?

「本当の事を言っているだけなんだがな」


「そ、そうか聞いて悪かったな。

取り敢えずSクラスと書いてある看板のある列に座っていてもいいぞ、あと時間がくるまでは何をしていても良いぞ

誰が見てもヤバイ行動をしなければ評価が下がることはないから、安心してくれ」


「ありがとう、刺客よ」

しかし、少し暑いな。




「だから刺客とやらではない、私の名前は藍田 鈴花だ。

鈴花先生と呼べ」


「おお、あった!」

やっとこの館の温度を司る神器の場所が見つかった。


「お前、人の話聞いてたか?」


「勿論だ、富澤 愛音だろ?」


「ハァ藍田 鈴音だ!」

「私は生徒がどのくらいまで来ているか確認しなければならないからモニター室に行く、また後で会おうじゃないか」

「っていない、どこに消えたのやら」




「今は暑い、だが急激に温度を上げると邪神の目覚めに繋がってしまう。

ここは人間に最適な25℃にして封印の安定をはかろうか」


それから集合時間10分前に2、3年の生徒が集まり、最後に1年生が数人来ただけだった。


『おい、今年は3人も1年が来てるぞ』

『マジかよ、去年なんて一人だけだつたてのに』


「しかし、モンスターがいないのにもかかわらず何故他の奴らはこんなにも時間がかかっているのだろうか

常人とはこんなにノロマだっただろうか」


「ねぇ、君!

北川君だったよね?」


「なんだ、この邪神を宿し佐久さまに何のようだ」

俺に話しかけられるということはアウトサイダーとみて間違いないだろう


「もしかして、中二病?」


「違う、俺は本物だ。

お前ら常人が思っているようなゴミ共とは違う」


「うん、中二病だね!」


この女は言語が理解できないのか!?


「言語は理解できます」


こ、こいつ俺の心を読みやがった!

固有スキル持ちか。

アウトサイダーなだけはある。


「アウトサイダーって何なの?

それに私が人の心が読めるのは育った環境の問題です」


う、嘘だろ!

アウトサイダーになるものは産まれたときから何か一つの事に長けている。

そのかわり、それ以外は物凄く低いはず。

この洞察力を能力にしたとして、何故この学園に入れた!?


「もう、私は北川くんの言うアウトサイダーってやつじゃないってば

ただの人間、ここに来れたのも先生の心を読んで、ギリギリ間に合ったんだから」


ほう、これは面白い。

常人だとしてこの力、俺の仲間に相応しい人材だ


「仲間は嫌だけどー友達っていうのはどうかな?」

「中二病だけど、以外と良いところあるしね」


こいつは何を言っているんだ?

と、も、だ、ち?

俺はこれまで、友なんてできなかったのだぞ、こんな簡単で良いのか?


「そうだよ、友達!

だってこのエアコン付けたの君でしょ?

しかも、皆のことを考えて25℃っていう丁度いい温度にしてるし

ああ、それと私の名前は堀塚 くるみ これからよろしくね!」


「おお、よ、ろしく」

やったぞ、初めての友だ!

「それで、何が欲しい?

世界の半分か?今ならくれてやらんでもないが」


「初めての友達で嬉しい気持ちはわかるけど、それは友達って言わないよ

これからクラス替えまでは私が北川君に友達を教えてあげる!」


「わ、わかった」

この小娘自分の魅力の出し方を分かってやがる、アウトサイダーではないならサキュバスか何かなのか?


「むー、サキュバスは知ってるけど、あんなふしだらな生物と一緒にしないで欲しいなぁ

私は人間、わかった?」


「まあそういう事にしておいてやろう」

まあ嘘を付いている気はしないが…


『生徒諸君、席につけ!』


校長と思わしき歳のいったお爺さんが声を張り上げてしゃべっている。

あいつがこの学園のドンか。

あの歳なら巨大結界が張れるのも納得だ。


「おい、そこの老いぼれ爺!」


「ちょっ、北川くん!何してるの!」


「何じゃ、北川 佐久君だったか?」


「この館にあるといわれる魔剣はどこだ!」


『お、おいあいつヤバイ奴じゃん』

『世界一頭の良いハ○ヴァー○大学を主席で卒業した不思校長に敬語使わないとか無いわぁ―』

『てかあいつ中二病じゃね?』


「魔、剣か。

後で校長室に来て話をしようか」


なぜだかドンが沈んでいる気がするが、魔剣が手に入るならどうでもいい


それから話は進み最後に学年代表の挨拶になった。


「学年代表、北川 佐久、前に出よ」


なぜだか俺が呼ばれた。

さっき話をした富澤 愛音の声だったが、さっきとは違いあきらかに殺意剥き出しという感じだ

まあ、呼ばれたからには行かないわけもいかないため、わざわざ赴いてやった。


「変な発言は控えろよ!」


通り過ぎる一瞬そんな声が聞こえた。


「おい、爺、俺はどうすれば良い?」


「この学校では代々クラス分け試験1位の人間が挨拶をするのじゃ、何か目標なんかを言って終わらせれば良い」


そう、小さい声で会話をしてから話し始めた。

「ここにいたるは左手には邪神、右眼には邪眼を宿し世界最強の男、北川 佐久だ!

俺はこの3年間を通してこの学校に眠るという魔剣ロスを手に入れる為、全身全霊で学園生活に望むつもりだ、必要ならばそこにいる2年や、3年も討滅してくれよう。

あと、俺には友達がいない、だから友達というものになってはくれまいか?

俺からは以上だ!」


「こ、これにて、入学式は終了する。

1、2、3年の順番で教員の指示に従って教室に戻れ」


それから、教室に戻るために外に出ると、クラスで喋っていた奴らが肩で息をして立っていた。


『おお、中二病野郎、お前も今来たところか?』


「は?何を言っている入学式はもう終わった、俺とお前らを一緒にするな」

こんな奴らと一緒だなんて死んだ方がマシな位だ。


「おお、来るのが遅かったじゃないか。

言っておくがお前らは全員D組だ!」


『は?クラスはテストで決めるって』


「誰がペーパーテストと言ったんだ?

お前らは北川と堀塚と渡辺を除いて全員甘すぎる、何故10時集合にしたかも分からない奴などこの学校には要らない、もし次のテストで赤点を取ろうものなら即刻退学だ!」


「良し、クラスに戻るぞ、帰りはバスを用意している、Sクラスのものだけ乗り込め」


『俺たちはどうすれば…』


「もちろん、徒歩だ」ニコッ


「可哀想にね、まあ来なかったのが悪いししょうがないか。

じゃあ乗ろっか北川くん」


こいつは何故やたらと身を近づけてくるんだ?

それが友達というものなのか?

「おい、少し距離が近いぞ

友達だとはいえ、もう少し仲良くなってからこういう事はしろ、あまり親しくない間柄でやっても不快感を覚えるだけだ」


「えーっひっどーい、女の子を拒否るなんてメッだよ!」


「これに、男女は関係はないと思うが…」


「チッ」


舌打ちが聞こえた気がしたが俺に舌打ちするやつなどこの世にいるわけがない


それから教室までは福澤だったようなやつの説明を聞いていた。

堀塚くるみ だけは奴の話に相槌を打っていたが、渡辺とかいう女と俺は無言のままバスを降りた。


「よし、じゃあ自己紹介をしよう。

今日からSクラスを担当する藍田鈴花だ、生徒は3人だけだがその分ミッチリ教えてやる

じゃあ自己紹介を一人ずつしてもらおうか、じゃあ先ず渡辺から頼む」


「アタシに命令しようってのかい?

覚悟はできてんだろうなぁ」


こいつは血の気が多そうだ、俺とは合わないだろう。

はっ、な、何故合うか合わないか等気にしている!

強者は孤独であるのが普通、強者は孤独であるのが普通………フゥ今のは俺ではない、堀塚に汚染された俺だ!


「汚染なんて酷いなぁ、私傷ついちゃった」


「勝手に傷ついておけ」


「うえーんうえーん」


「おい、北川、女の子泣かせるってどういうこった?」


これは面倒なことになったな、そんなことよりも今は渡辺の裏で笑いをこらえている堀塚をぶっ飛ばしたいという衝動を抑えるので精一杯だ。


「おい!なんとか言えやゴラァ」


「ご、誤解だ、それとお前ごときでは俺に勝てない」


「やってみないとわかんねぇだろ!」


言葉の通じない猿めが、その足蹴りでは蹴った後に少しの隙ができる、よって除けて一瞬で攻撃!これ一択だ


「なっ、アタシの蹴りが避けられただと!」


「遅い!ドブロス快手」


ッグハッガハ


「ちょ、ちょっと北川くん何してんの!」


「みぞおちに一発入れただけだ、それにしても最近の人間は脆いのだな、みぞおち如き、産まれて数ヶ月で慣れるものだが…もしかして、俺は可笑しいのか!」


「今気づいたの!」


「喧嘩で負けたのは初めてだ、頼む北川さん、アタシを弟子にしてくれ!」


「ハッハッハッお前如きが俺の弟子になりたい?笑えてくる

ふざけるな、俺の顔に泥を塗ろうってか?」

こんな可愛過ぎる奴が弟子などナメられるに決まってるだろ?


「じゃあ、こいびと………じゃ駄目か?」


「こっここここここ、い、びびび、ととと?」









_________________

この度は「俺は中二病だが、良い中二病である」をお読みいただきありがとうございます。

この作品は毎話4000字を超えるよう努力していますので不定期投稿となってしまいます。

言い訳のようですが、この作品は全くストックがないため、本当に申し訳ありませんが投稿頻度が落ちてしまいます。


❤、★、コメントお待ちしております。

今書いている作品よりもpvが多くなったらこっちを頑張ります。









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