炎天下 熱く教える やんちゃっ子

炎天下 熱く教える やんちゃっ子


 帰省中、母が毎朝ラジオ体操へ行くのにつき合っていました。別にラジオ体操を一緒にしたかったわけではありません。会場となっていた公園は、スケートボードが公に許可されており、地元ではスケボー初心者のメッカとなっていました。それで、僕ら親子もスケボー担いで母の後にくっついてその公園に行っていたわけです。

 滑っているのはだいたい、いかにも始めたてのおっちゃんたち。たぶん、僕と同じように、子供につられて始めた人たちでしょう。普段僕は、スケートパークでうまい人の邪魔にならぬよう、ちっちゃくなって練習しています。だけど、この公園だと同じような人ばかりなので、とても気が楽でした。


 ところがある日、段差をオーリーでビュンビュン飛びまくっている少年たちが見えました。しかも、金髪ピアスに金のネックレス……いかにもやんちゃそうな十五歳くらいの少年が三人、ところ狭しと滑っています。いつもおっかなびっくり滑っていたおっちゃんたちは姿が見えません。

(何かやりにくいな……)

 そう思いつつ、僕ら親子はスケボーを始めます。

 息子は果敢にも、少年たちが遊んでいた段差にオーリーで挑みます。その頃息子はあまり高く飛べなかったので、中々乗り越えることが出来ません。


 そうしていると、ベンチで休憩していた少年たちがやって来て、僕らを取り囲みました。


 うわ、なんか嫌な展開……


 そう思っていると、

「オーリーはこうやるんだよ、見てみな」

 そう言って少年の一人が模範をしてみました。

「じゃ、こんど君、やってごらん」

 息子はやんちゃ少年たちに物怖じすることなく、やってみました。

「板弾く時、目線はこの辺だよ」

 などと熱く指導していきます。そうして何回か挑んでいるうちに、息子はついに段差を飛び越えました。

「やったー!」

 と我が事のように歓声を上げるやんちゃ少年たち……いやいや、見た目は派手でも、根は親切で心優しい少年たちです。別れ際、「スケート頑張れよ、センスあるぞ」と励ましてくれました。

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