第2話かわいそうな同僚

うちの会社は、社員同士のLINEの交換や電話番号の交換はしてはいけない。

また、貸し借りもしてはいけない。

ある日、僕はコンビニでビールを飲んでいたら、同僚がタバコを吸っていたので、貸し借りのつもりは無く、缶コーヒーを買って渡した。

その同僚は、大変有り難がりお礼を言った。

嫁さんがお金を管理していて、ジュースも飲めないと言う。タバコも4日に1箱しか買ってくれないらしい。

それから、僕がコンビニ飲みして、同僚が彼1人の時だけ、ジュースを買ってあげる事にした。

貸し借りではない。僕の一方的な献身である。

しかし、昨日は願う様にたばこを買って欲しいと言ってきた。

一回だけだよ!と、言って500円渡した。


しかし、こういう事は長く続けると、僕が買って当たり前の様な状態になるので、明日からはコンビニへ行かない。

最近は、高いジュースと高いアイスクリームをねだるようになった。

あぁ〜、コイツも精神病なんだな。と、思いかわいそうだが、彼への奢りは辞める。

一緒に飲みたいと言っているが、そのお金は僕だけが出すそうだから、コイツの神経を疑う。

僕は別に気にしなくてもいい、と言ったが今日、彼の買い物の仕方が随分遠慮の無い態度だったので、深手を負う前に彼とは距離を置こう。

だから、精神障碍者なのだ。買ってあげた僕も精神障碍者。

悪いが、明日からは彼に差し入れはしない。

同じ経験をしてきて、痛い失敗をしている。

散々飲ませたのに、僕をボロクソ言って消えた人間は1人だけではない。

僕は学習したので、明日からは挨拶だけにする。

何とも後味の悪い酒になった。

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