闇の組織の求人に受かった

森医者

序章・エニグマ入社

就職先は非日常

ぜいたくな悩み、周りのの人はきっとそういうだろう

何もしなくても食事ができて、ネットを使える

 弟はまだ高校生だが反抗期ではないし、いつまでたっても仕事をしない自分を否定しないでいてくれる。


父も母もまだまだ元気だし今日も俺のために昼食を作ってくれている。

俺はたぶん、すっごく贅沢な人間だ


でも、この時間を得だとは思えない

とっても退屈だ、まるでいつまでも時間が進んでいない感覚

いつまで俺はこんな生活を続けるつもりなんだろう

わからない。



ふぅ、まあわかる人はわかるが以上はすべて賢者タイム。

 そして、これから始まるのは、無駄な時間だ

「そうゆうサイト」を閉じ、求人サイトへ行く

木工工事の手伝い、探偵、コンビニバイト、システムエンジニア......

こうやって、ただただ興味もなければ、バイトする気さえ起きない仕事を流し見る


やっぱり、

どうしてもやる気が出ない、

とんだ無駄な時間を過ごした気分だ


いつもの動画サイトにいこう。



2年前くらいに入れた編集ソフトなどを無視しながらホーム画面をスワイプ

勧誘やなんらかの20万人記念の通知をうっとうしく思いながらYouTubeを開く

結局いつものようにショート動画を昼までずっと眺めていた

内容もまた、いつものように覚えていない


コンコン


ドアが軽く音を鳴らす

母さんだ、ふと時計を見ようとする

あ、やっと気づいた、俺は電気をつけていなかったらしい

おかげで何時かわからなかった

しゃーない

「母さん、なに?もうお昼?」


「うん。もう父さんは下に来てるから」

「わかった、もう行く」


..........いちおう、心配させないよう電気をつけてからドアを開ける

「今日のメニューは?」


「えーと、今日は冷やし中華だっけかな、冷蔵庫の

 あ、一応お漬物くらいならあるけど」


思い出すように、伸ばしながら言う

「だっけ」というのは「冷やし中華だけ」ということだろう


もう行こう昼食の時間だ


母さんとともに下に行くと、言ってた通り父さんが席に付いていた

これから昼食が始まる。いろいろ気まずい


「「「いただきます」」」


 皆がほとんど一斉に冷やし中華をボウルに入れ、スープを流す

 みんな黙々と冷やし中華を食べている、気まずい空気が流れる中

それを破ったのは母さんだった


「いい仕事は見つかった?」


一番聞かれたくない質問だ

「いや、まだ、かな」


父さんは黙ってる、きっと気まずいのだろう(いつもはもっと喋るんだけど)

俺も同じだ、何を言ったらいいかわからない


「「「ごちそうさまでした」」」


最初以来、一言も話さずに食事が終わる


「あ、そうだ、わたしこれから買い出しに行くから

 カギ閉めといて」

「わかった」

「......おれも、もう行くから

 留守番頼む」

「うん」



昼食が終わり、

仕事に戻った父さんと、出かけに行った母を跡目に家のカギを閉める。

.......はずだった


いや.....正しくは閉めた

頭の中は「?」でいっぱいだ、俺はまだ21だというのに


ボケてしまったのか?ネットデドックスが必要かもしれない。








いつの間にか、俺はスマホを見ていて、謎の求人サイトを開いていた


<秘密結社・エニグマ>



「エニグマ?」


社名が厨二くさいということで少し気になってしまい内容を見てみた


草、とつぶやき、Twitterで晒してしましたいくらいにおかしい内容だ

正直、とても面白いが、本気なら心配してしまう


まあ、つまりざっというと「高収入で世界征服を手伝おう!」だとか

「世界征服を手伝うだけで、この世界の一部をあげよう!」

..........といった内容だ

ここまでくるとは筋金入りの厨二病だが

まったくもって馬鹿げているが、コンビニバイトよりは楽しそうだ。


........なるほど、面接はネットでできるのか、「面接アンケート」?

常識離れしたというか、型破りな内容にすこしだけそそられる。


--------------------------------面接アンケートについて-------------------------------

わたしたち「エニグマ」の仕事に興味を持ってくれてありがとございます!

この会社の面接は、なんと!直接面接しなくてもいいんです!

当社のアンケートに答えてさえくれればその場で合格通知を出させていただきます


[面接アンケートを始める]←

-------------------------------------------------------------------------------------------


仕事内容さえ書かれていないのに、「興味を持ってくれて」ってなんだよ

まあとりあえず、


受けてみるか、面接


--------------面接開始!!-------------------

Q1.この世界をどう思っていますか。


 はあ?なんだこの質問、ここまでも厨二かよ

まあ、とりあえず


A.日本は平和だと思います


Q2.世界は変わる必要があると思いますか?

A.いい方向になら、変わってもいいと思います


Q3.当社が世界を変えるとしたらどんな世界がいいですか

A.平和で、不安がなくて、仕事なんてない世界あ、ネットは欲(※文字数上限です)


あ、全部かけなかったまあいいや


Q3.魔法少女や変身ヒーローたちと戦えますか?

A.どれくらいの強さかで変わりますが、ビーム出せたら無理です。


Q4.秘密結社にあこがれたことはありますか?

A.小さい頃は、憧れました

......などなど


これまた胡散臭い質問に、痛々しいアンサーだ

ネット上のやり取りだからか、現実ではぜっったい言えないことも素面で書き込める

そんなこんなで最後の質問だ


Q21.最後の質問です!この世で最も偉大な人に未来を託すことはできますか?

A.その人が世界一というほどなら、託せると思います


おめでとうございます!あなたは合格しました!

こちらの住所でお待ちしています!→https://jusyo/by/114-115-3336-55-ikkai

※11月5日10:20まで


あーあ合格しちゃった


さあて、俺のスーツ、どこに置いたかな?







ちなみに鍵はされていなかったらしい

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