第十八話ー許容ー

「由菜…お前なんで…?」

「だって、冷静になったら良いかなーって。もう。」

「由菜さん⁉︎」

あんなに怒っていた由菜が動じずに話を続けていることに、全員が驚いた。

「そりゃあさ、取られた時は泣きじゃくったし…でも、今思えば別に良いかなーって。あと、この話し合い時間の無駄だと思うんですけど」

そういい、話を続ける。

「私は許すからさ、こいつらもちょっと怒って帰してもらって良いですよ」

「由菜!ちょっとストップ!」

心子が止めた。感情のままに話している。

「なんで?あんなに殺したいって言ってたのに!どうして⁉︎」

「私が良いって言ってるし、良いと思います。だって、怒ってもノートは帰ってこない。なら、今怒る必要がないかな、と思ったんです。」

はっきりとした口調で彼らを怒るのを拒否した。

「由…由菜…!」

海里も驚きを隠せない。目が動揺し、由菜を見ている。

「何があったんだよ…本当に大丈夫か?」

先生まで困惑し、オドオドとしている。

「由、由菜さん。どうしたんですか?」

「あ、待って先生。僕連れて行ってちょっと話してきます」

学年主任がそういい、由菜を連れて行った。

「……」

由菜が無言で犯人たちの目を見る。その後、仲間を見た。「ごめん」が篭っていた。

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