第15話 枯れた橋

バレずに逃げれたはいいものの

どこに行くという当てもなく

途方もなく進むしか他ならなくなった

振り返ると、商店街がどんどん小さくなっていく


それに伴って、町はさらに異様な空気を帯びてくる

草木は枯れ、雑草がまばらに生えている


商店街からかなり行ったところに

まるでこの世と地獄の境かの様に

突然古い橋が現れた


車が一台ギリギリ通るくらいの大きさで

橋の下には淀んだ川が流れている

橋の名前を見たかったが

文字の様なものが書かれている板が立て掛けているだけで

劣化が酷く、解読には至らなかった


そうだ、この先子供は立ち入るべからずと

大人達に口酸っぱく言われてきた橋だ


しかし、急に好奇心が湧いてきてしまった

どうせ家に帰ったって何もすることはない

僕は迷わず橋を渡った

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