第11話 運命

今日は朝からずっとユリコの事を考えている

家についてからも、夕食を食べている時も

風呂に入って、寝床についた今この瞬間も


ユリコが運命の相手だとわかった以上

必ずユリコを手に入れなければならない

ユリコもそれを望んでいるはずだ


しかし、何も進展させることが出来ないまま時は残酷にも過ぎていた

どうするべきかすらわからない

残念なことに僕は今まで一度も"恋"と言うものをしたことがない

恋ができなかった訳じゃない、僕にふさわしい女性がいなかったから

ふさわしい相手がいないなら必然的に恋もできない


ユリコという僕にふさわしい女性と、やっと出会えたというのに

恋愛経験の無さが僕の首を絞める

これが恋煩いというものなのか


かと言って、こんなこと相談できる相手など僕にいるわけもなく

これはもはや手詰まりである

教科書にでも書いてあればよいのだが……


僕は、ハッとした

そうだ 本に頼ればよいのだ

恋愛を学問としている有識者のちからに頼る他ない


早速明日にでも書店に行ってみよう

僕は古ぼけた天井を見ながら

そう決心し、眠りについた

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