タクシーの行先告げぬ濡れた髪

タクシーの行先告げぬ濡れた髪


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


タクシーを、長い髪を濡れそぼらせた女が止めるのは、よくあることです。

彼女らは決まって、濡れた髪で顔を隠し、行先は言いません。


行先など、ないのですから。


彼女が不意に消えた後。

後部座席のシートは、ぐっしょりと濡れていました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る