第7話 高校編  高校デビュー

中学の卒業式のあと俺は改めて自分の能力をノートに書いてみた。

ルックスA

格闘技 キックボクシング中級 柔術 中級 レスリング中級

サッカー フォワードでレギュラー

勉強 進学校レベル 有名進学校に進学

コミュ力 女子との会話も男子との会話も上出来。

クラスのポジション リア充でクラスの一軍



「よし。」

これ高校で戦える戦闘力は整った。中学でもスポーツとコミュ力を中心に伸ばしてきた。


もちろん勉強もそこそこできる。

あと中学からは楽器を初めて、まあ人並みに弾ける。ギターで悩んだが。

ギターは全くしたことがなかったので興味がわいた。ギターを身につけることにした。

文化祭でギターをやってたやつはキラキラしてたもんな。一回あれを味わってみたい。


ただ、今問題なのは新しいクラスでリア充グループに入れるかということだ。

最初の一か月でどこのグループに属するかが決まってくる。

そして、そのグループ次第で学校生活が楽しめるかが決まってくるのだ。だからこそ気が抜けない。


俺が通うのは公立の順進学校だ。勉強も部活もそこそこだが。進学校ほどバリバリ勉強しなくていい自由な校風で評判だ。

ここを選んだ理由は二つで見学に来た時に女の子が可愛かったのと、イベントには結構力を入れているので楽しめると思ったからだ。久しぶりの制服に身を包み俺は少し早く家を出た。

バスで外を眺めながら充実した学生生活を思い浮かべる。

「俺はなんとしてでも恋愛を楽しんで見せる」

部活は引き続きサッカー部。クラスでも面白い奴と仲間になり、文化祭でバンドを組むのも悪くないな。スクールカースト頂点の一軍に属し学生生活をエンジョイしてやる。

だが、一番は彼女を作って失われた青春を回復することだ。待ってろアオハル!

やりたいことは沢山ある。坂道の桜も俺の新しい門出を祝ってくれているようだった。

バス停に着くとすでに何人か並んでいた。俺も最後尾に並ぶ。

「あの、もしかして佐藤君?」

振り返るとそこには美少女がいた。

「はい、そうです。君は?」

「私、中学の相川だよ。私のことしらない?」

「相川……。悪い同じクラスになったことは?」

「だよね。私たち同じクラスは一度もなかったから。実は佐藤君って他のクラスでも結構気にしてる女の子いたんだよ。」

「えっまじで?」

そういう情報はあまり耳に入ってこないので驚いた。まあ中学の時は高校を目指して自分磨きばかりしてたから当たり前か。

「それは知らなかったな。相川は同じクラス?」

「そうだね。まあその辺も含めてよろしく。」

そう言って微笑む彼女はまさにS級美女そのもの。きっとクラスの中でも一軍になるんだろうな。俺はその一軍に入れるんだろうか。いや入って見せる。そのための中学時代だった。

俺の人生はここから薔薇色に変わる。

そう言い聞かせた。


キーンコーンカーンコーン。

チャイムが鳴る。担任の教師が入ってくる。やっぱり自己紹介からだろうか。あまり気をてらわない無難な自己紹介でいこう。そんなことを考えていたら、前の席の男子生徒が立ち上がった。

おいおい、いきなりかよ。こういうのって一番緊張するんだよな。

俺と同じ中1とは思えないほど背が高く、イケメンで爽やかな雰囲気をまとっていた。

まるでモデルのような容姿に教室にいる女子生徒から黄色い歓声が上がる。

すげぇなこいつ。ただ者じゃないオーラを感じるぜ。

続いて隣に座っている女子生徒が立ち上がって口を開く。

おお、これはなかなかの美人さんだな。

黒髪ロングヘアーに切れ長の目。クールビューティーといった感じだ。

「はじめまして。東雲かずさといいます。これからよろしくお願いします。」

東雲と名乗った少女はそれだけ言うと着席する。

なんともあっさりとした挨拶だったが、それでいて品の良さを感じさせる。

さすがお嬢様学校の出身というだけあって育ちが良いことが伝わってくる。

「じゃあ次、佐藤君」

「はい」

いよいよ俺の番か。どんな反応をするかな。楽しみだ。

「佐藤翔です。趣味は読書、特技はスポーツ全般。部活はサッカー部に入ろうと思います。苦手なものは勉強。これからよろしく」

うん、まあまあかな。これ

「次、相川さん」

「はい」

おっと今度はさっきの子か。

「初めまして。私は相川麗奈です。私も進学組です。部活は陸上部に入ろうと思っています。」

陸上部というだけあって細い体でありながら足もすらりとしていて筋肉質だ。スレンダーでスタイルも抜群。髪はショートでなんかもう私クラスの一軍ですオーラ出てるもんな。


まぁ俺のタイプではないけど。

そんなこんなで全員の自己紹介が終わった。

みんな個性があって面白かった。まぁ俺は普通だけどね。

休み時間になると早速周りに人が集まってきた。

俺はイケメンの鈴木に話しかけた。前世の俺なら相手にもされないだろうが、イケメンでコミュニケーション力もある俺にならきっとできる。

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