第2話 青春攻略ノート

俺は新しい部屋で目が覚めた。広い部屋で8畳はあるだろうか、勉強机とか家具が並べられている。

「翔ちゃん、ご飯できたわよ。」

「……。」

俺は言われるがまま下の声のもとに降りていく。広い家で部屋がいくつもある。相当金持ちだな。

「翔ちゃん、今日はパパは遅いから翔ちゃんの好きなハンバーグよ。」

ハンバーグを持ってきたのは30後半くらいの美人だった。天使が元モデルと言っていただけのことはある。相当にスタイルがいい。巨乳でスリムだなんて反則だろ。そして俺のルックスはこの母親の遺伝である。遺伝最強。

「ごちそうさま」

俺は食べ終えた食器を台所に戻す。

「まあ翔ちゃん偉いわねえ」

「えっあっうん。」

たったこれだけで、ここまで褒められるなんて……。これが普通の家庭なのか?それともこの家のカルチャーなのだろうか。

前世では褒められることなど殆どないので、なんかムズ痒い。何のこともないことで褒められるのがこんなに気持ちいいとは。

「翔ちゃんは、イケメンで偉いわねえ。」

なんか心の中がざわつく、何だこの感覚は。

今までイケメンだなんていわれたことなかったし、褒められたことも殆どなかった。

自分がここまで褒められることに飢えていたなんて……。

俺は、そんなことを考えながら部屋に戻った。


さてどうしたものか。

そもそも俺は中学何年なのだろう。教科書とカレンダーから察するに中一の入学直前の用だった。せっかくSSRを引いたんだ人生を一滴残らず楽しむぞ。

俺は自由帳に人生計画を書き始めた。

「青春攻略ノート」

そう書いたノートには高校を最大限楽しむと目標を書いた。そのためには中学、そして高校とどう過ごしていくか考えていかなければいけない。

「あっそうだ、顔はどんな感じだ。」

俺はSランクの顔を鏡に映してみた。

「おおっかっけえ」

さすがにモデルの母の遺伝子を受け継いでいるだけのことはある。

「これは、Kpopアイドルにいそうな感じな。高校で背も伸びたら更にかっこよくなるだろう。」


「さてこれから何をしていこうか」

高校を攻略するために、どんなスキルが必要かリストアップしてみよう。

コミュ力、運動神経、ギタースキル、学力。


学力は大人になってから必要になってくるので重要度としては、あまり高くない。

前世では大学をでたのに女の子に全く縁がなかったもんな。

コミュ力を重点的に上げるべきか……。


俺が高校のころ陰キャだったわけだが、陽キャだった奴はどんなことをしていた?頭の中の記憶をたどる……。


まず運動部が多かった。サッカー、野球、バスケなんかをしていた気がする。

あいつら彼女持ち多かったな。俺も今からなんか球技をしてみようか。

ふと、部屋をみるとサッカー選手のポスターが張られていた。ひょっとしてサッカーしてるのか。ボールも置いてある。クラブにでも入っているのかもしれない。これは好都合だ。

あと、中学の時いじめが酷かった。格闘技をやっておくのはいいかもしれない。せっかく運動神経がAなのだから球技と格闘技くらいは身に着けられるだろう。

よし、勉強はそこそこに球技と格闘技を初めてみよう。

そのためには今何を習っているか把握していく必要がある。

俺はもう一度台所に降りた。セクシーな母親が皿洗いをしている最中だった。

「母さん。俺はサッカーいつからしてたっけ?」

「えっと小二だったかしら。」

「何習ってたっけ。」

「サッカーは小学生のクラブで今は塾だけでしょう」

さずが金持ちの家。

「実は空手かキックボクシングを習いたいんだけど」

「えっお母さん乱暴なのはちょっと」

母親が顔をしかめる。だが、俺は経験済みだ。中学や高校でいじめられないために格闘技をして自信をつけておくことは効果的だ。

「母さん、いざという時。身を守れるようになりたいんだ。」

「わかった。とうさんと相談するわね。」

「ありがとう、母さん。」

俺は軽く礼をすると自分の部屋に戻り。机で白紙のノートを開く。中学生の間。高校の青春リベンジのために何をしたらいいか考えるためだ。


「よし、書いてみるぞ」

俺は思いつく限り書き出した。

・部活 サッカー(小三から)

・英会話 英語塾

・柔道 キックボクシングとりあえずこんなところか。

・勉強は友達ともやる。前世では一人で勉強しすぎたせいで仲間ができなかった。勉強を通じてできる仲間も大事にしていきたい


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