心の底のルッキズム

下着ユニバで話題になった女の子が、懇意にしているどなたかからポルシェを貰ったことをツイッターで知った。該当ツイートのツリーには羨ましいか否かを問うアンケートがあって、結果は忘れたがまあツイッターらしい回答ではあった気がする。

私といえば「車貰っても嬉しくないけど、世話してくれる金持ちと懇意なのは羨ましいことだなぁ」と思った。仮に懇意な方からピンクな見返りを求められていたとしたら、それはそれで応えられるのが羨ましい。私は人間のニオイが今のところ最もダメなニオイだから(世間的に臭いと言われない程度のニオイでもえずく)相手の口臭でダメになるかもしれない。というかそもそもすごいブスなのでお相手がつかない。

分厚い瞼に押し潰された目。団子の丸さとにんにくの大きさを兼ね備えた鼻。厚ぼったくて口角の下がった口。これが私の顔である。思い返すと小さな頃から親父以外の男の人の口から「可愛い」と出たのを聞いたことが無い。それどころか子供相手でも嫌な顔をする奴には出くわしてきた。就活でも面接先のお医者さんに笑顔いっぱいに挨拶したら無視されて、診察室から「アレは無いよ!」と怒声みたいなのが聞こえてきた。こんなんなので当然ながら彼氏もいたことが無い。人生に至っては頭も無いので詰みかけている。「世間はバカとブスに冷たい」とか何かの漫画で言っていたが真理である。

しかしそんな私でも美しい女を妬むまでには至らなくて本当に良かった。むしろ自分も美しい女が好きなまである。

大概の女が優しかったからだろうかと思ったが、物心つく前から可愛い女のキャラクターとか歌のお姉さんとかちょっと好きだった覚えがあるから潜在的なものかもしれない。とにかく美しい女は見惚れてしまう。おっぱいが大きいとなお見惚れてしまう。アバターを作れるゲームで女を作ろうものなら色っぽいお姉さんを作ってしまう(エルデンリングで作った最もお気に入りの褪せ人は赤いリップが印象的なお色気お姉さんだ)。

映画やゲームなど映像絡みの界隈で美人ばかりを主役にしない動きがあったり「容姿なんか関係無い。ありのままの自分が1番」とか「生まれ持ったものを褒めたりけなしたりするのは失礼なこと」とか主張する人が増えてきたけど、完全には浸透しないだろうなと思う。容姿で選ばれてこなかった女が、何だかんだ自分も美しい女ばかり撚りすぐっている例がここにあるしな。

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