第2話

「僕の名前は清水由良です。好きなことは音楽と睡眠です。ボール遊びも好きです。食べ物はイタリアンと湯豆腐が好きです。みなさんよろしく!」


無事自分の自己紹介を終えて自分の席に着く。


「由良、湯豆腐ってそんなおいしいか?」


 偶然席が隣だった陽が首をかしげて聞いてきやがった。おのれ湯豆腐の良さがわからぬとは。。。人生損だぞ。

 もちろん豆腐が苦手だって人は多かれ少なかれいるだろう。人の好みはそれぞれだ。だがしかし、もし豆腐を食べることができる人には朗報だ。


「豆腐ってな。米の代わりになんねん」


「お前しれっと凄いこと言ってるからな?自覚あるかー」


「聞いて驚け!豆腐は豆からできてるからヘルシーだし、お腹にも優しい。そこに出汁と白菜、大根やらが入ってみろ!そこにあるのは神の食べ物だ」


「ごめんだけど、俺豆腐無理だわ」


「ふっざけんなよお前ェそれでも日本人かぁああぁあ!!!」


「誰だよ好き嫌いあるからとか寛容な発言してやがった輩は!!」



そうこうしているうちに放課後になった。


今日は部活動の初日だ。弓道なんて今までやったことないがついていけるだろうか。


「あ、こんにちは!えと、弓道部に入ってきてくれた子かな?」


俺の目の前でそう言って案内してくれようとしているのは、緑のネクタイをした可愛い女子生徒。僕らのクラスが青色で、一個上が赤色だから。。。三年生の生徒か。


「あ、はい。その入部しようかなと思って、来た次第です」


「そっか!いやぁ今年は部員が多そうで安心だよー。あ、自己紹介まだだったね。私の名前は雪野陽菜ゆきのひな。よろしくね!」


「僕の名前は清水由良です。すきな食べ物は湯豆腐です!よろしくお願いします」


「おお湯豆腐か!いいな」


ほらみろ陽よ。湯豆腐を、ましてや豆腐を嫌いな奴なんてこの世にはいないんだよ!




ーーーーーーーーーーーーーー


 今日は一年生がやってくる初日の部活。私からしたらこれは二回目の出来事だけど、今はもう部長は後輩に任せてるから、そのサポートはしてあげないとね!

 ましてや二個も後輩なんて可愛すぎる!今年は何人ぐらい入ってくるかなー。

あ、あれは弓道部志願者かな?

「あ、こんにちは!えと、弓道部に入ってきてくれた子かな?」


「あ、はい。その入部しようかなと思って、来た次第です」


すごく堅苦しい子だな。緊張してるのかな?


「そっか!いやぁ今年は部員が多そうで安心だよー。あ、自己紹介まだだったね。私の名前は雪野陽菜。よろしくね!」


「僕の名前は清水由良です。すきな食べ物は湯豆腐です!よろしくお願いします」


ゆ、湯豆腐。。。また渋いところ行くんだなこの子。おじいちゃんなの?


「おお湯豆腐か!いいな」


私はとっさに返す。私はあんまり食べないけど、そんな食べ物を好ける人ってなんかすごいよね。私はたぶんケーキに走っちゃうから。。。


私の返事を聞いた清水君は、思いのほか私に湯豆腐を受け入れられたことがうれしかったのか、とても笑顔だ。


「んじゃ、さっそく活動場所に行こっか」


「―――――はっ、えと、もう一回言ってもらっても」


「あ、うん。活動場所に行こうって」


「わかりました。案内よろしくお願いします。あとごめんなさい。考え事しちゃってて」


「全然大丈夫だよ!じゃ出発!」

あの短時間でそこまで深い思考に入り込むことができるのは正直関心出来るけど。。。なんか、独り言つぶやいてるし。豆腐はみんな大好きとかなんとか。

 すごい独特な子が入ってきたな。。。


「しかしあれだな。。。湯葉も捨てがたい。。。」(独り言)



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