第41話 最強の殺し屋クロは、酒場に現る

 俺たちは学園島から少し外れにある酒場に来ている。先に言っとくがここはいたって普通な酒場だ。だがここには普通の一般人の客と裏ギルドの客いろいろな職業の者が訪れる少し変わった酒場だ。


 そして俺は六色光に新たに加わった無色の二人とここに来た。


 「エリス、ミシェラここはガラの悪いやつは……。あまりいないが酔っ払いや、殺し屋関係の客が多い。もし何かあれば俺に言え」

 「分かったわ」

 「はい」


 シャリンシャリンと二回音がなりドアが開いた。部屋は西部劇みたいな雰囲気とカウンター席があるちゃんと団体客の為のテーブルも設置されている。その酒場を眺めていた二人を置いて店長は俺に話を掛けた。


 「お! レイくんいらっしゃい! 今日はどうしたんだい?」

 「そうだな。こいつらの仕事探しかな」

 「お! お嬢ちゃんたちいらっしゃい! ここは少し訳ありだがそれなりの依頼も受けれるぜ!」

 「こんにちは……」

 「こ、こんにちは……」


 酒場にきて依頼の受け方だがここには情報屋もくる。店長に情報屋にコンタクトをっていえば簡単に紹介してくれる。ここでの依頼は基本的には簡単な暗殺依頼がいっぱいある。


 「エリスとミシェラここからは本当の依頼だ。決して依頼主を裏切るな」

 「分かりました!」

 「分かったは」


 俺たちはひとまず簡単な依頼を受けることにした。


 【違法に金を横領している社長の暗殺】


 これを受けることにした。今回の俺の役目だが簡単だ。二人の仕事っぷりをこの目で見て入ればよい。ふだん俺がやる仕事は研究所とか侵入とかだから久々にこんな仕事を見ることになる俺はいま少しわくわくしている。


 「ミシェラ準備は大丈夫?」

 「はい。もういけます!」

 「二人ともいい意気込みだね。俺は今回は手を貸さないから一から作戦を立てていくんだよ」

 『はい!』


 そして月の光が暗闇を照らす日に出発し目的地である大豪邸にミシェラとエリスは到着した。もちろんの如く敷地内にはボディーガードなどがたくさんいた。


 「エリスさん。私となりの人を狩るんで右の奴お願いします!」

 「りょうかい」


 シュパ!バタ!と音がなり床には二つの死体があった。


 「レイさんあの子たち確かに見込みありますね」

 「リキッドも見に来ていたのか。そうだね。あいつらは俺が選んだ精鋭だ。ここでは死なせない」

 「少し話変わるけど。最近こんなうわさが……」


 その頃ミシェラとエリスは大豪邸の室内に潜入していた。ちょうど今長廊下を歩いている最中だ。


 「ミシェラ危ない!」


 バン!!

 

 「助かりました!」

 「レイこのためにくれたのね……」


 そうこいつらには俺の銃の技術も叩き込んだ。この世界では銃は下級の武器と言われている。だが俺はそう思わない。上級武器の分類と言われている魔術などは研究するのが難しい。だが下級と分類されている銃には無限大の可能性が隠れている。


 「だからってことか……本当に強いわね」

 「そうですね。私も初めて使ったけどほんとにぽっくりと死にますね」

 「ミシェラあの右の壁から影が見えるよ!」

 「きますね!」


 確かに廊下の右奥から影が見えるが何かおかしい。


 「エリスさん避けて!」

 「え?」

 「とりあえず左に避けて!!」


 ミシェラは動揺しているエリスに体当たりをして左にずらした。その次の瞬間背後から黒い何かが飛んできた。


 「やっぱりいるのですね」

 「な、なにが?」

 「大体こういう裏事業をしている大豪邸などは必ずと言ってもいいほど強者を雇うんですよ」

 「確かに昔近所の豪邸にもいたわ」

 「それがあいつです!」


 それが分かったとたんその影からじわじわと何者かが浮き上がってきた。ミシェラとエリスはそいつを一目見て周りの者とは明らかに違う事が肌で感じた。


 「あれ、俺の事が見えてたのかな?」

 「見えていたのです! とりあえず死んでください!」


 バン!と廊下に銃声が鳴り響く。これは当たったと完璧に思ったがその男はその場にはもういなかった。しかも死体もないってことはどういう事か……。


 「ミシェラ下!!」

 「はい!」


 エリスの報告でミシェラは下の影に注意した。そこから黒い何かまた違う物質みたいなのが発射された。


 「ミシェラさんこの男はおそらく影を移動する事ができる! あとその影から攻撃も可能!」


 「了解! あれを使ってください!」

 「分かったわ! 《ホーリーランス》」


 無数の光が現れて男にめがけて撃ち放つ。男はその攻撃をよけきれなく被弾してしまった。その時男は数秒動けなくなっているのをミシェラは見抜いて格闘技で男を吹き飛ばし殺した。


 「ではターゲットを殺しに行きますか! 」

 「多分この部屋であっている……」


 ガシャン!ドアを思いっきり開けてターゲットである人物に接触した。そのターゲットによると影を移動するあいつがやられるとは思ってなく計算外だったそうだ。


 「って感じで私たちに命乞いをしてきました」

 「なんか影を使う人物もいたわ」

 「え? 影……。それってシャドリストじゃないか?」

 「シャドリストって?」

 「シャドリストは表ギルドを支えている影の組織の総称でシャドリストは他にも何人もいるんだ。特にやばいのはリーダーでかなり強いらしい。シャドリストが守っているってことは何か裏で動いているな……」


 俺は単独調査をすることにした。

 

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