裏ギルド編

第35話 最強の殺し屋クロは、案内をする

 「よし、みんな集まったな。それでは注意事項があるからよく聞いてね」

 『はい!』

 「分かったわ」


 一部を置いて元気に返事をしてくれた。ちなみに「分かったわ」はエリスが言った。でもこの調子の方が俺もやりやすいな。


 「一つ目は、無色の存在はある程度の団体には教えたがまだ全員知っているわけではない。そしてみんなも分かるようにここにいるやつらは学園の者と格が違うあまり挑発しないように」

 「確かに近くにいただけで体が震えました」

 「そして二つ目は、今回案内するんだけどあんまり一人で地下に研究所に行かない方が良い」

 「それはなんでなのです?」


 ミシェラがレイに聞いた。レイは苦い顔をしていた。


 そして俺たち七人が最初に向かった場所は、ここにいる者なら絶対使うであろう施設の集会場だ。


 「あれってクロ様じゃないか?」

 「そうだ! みんな一礼をしろ!!」


 そうだった俺はこの光景をみんなに見せたくなかった。正直これはもうどうしようもないことで俺も手が終えない。ふとエリス達の方を見るとやっぱり驚いている。確かにえげつない雰囲気を纏う殺し屋たちがそろいをそろって頭をさげていることは普段ならありえない話だからだ。


 「改めて思ったけど流石クロだよね」

 「そうですよエリスさん! クロ様は神様なのです!!」

 「ミシェラ落ち着きなさい」


 俺がドアを手にかけたその時だった。


 「レイちょっと待ってくれ」

 「シシルじゃんどうした?」

 「その件でだ。もしよければ班に分かれてやらないか?」

 「それは良いのだが……確かに一気に六人は大変だ」


 突如現れたルイスの名案で六人を三班に分けて行動することになった。ちなみにもう一人はシシルだ。俺の班はエリスとミシェラの二人を案内する。


 「よろしくお願いしますレイさん」

 「よろしくレイ」

 「ではさっきの集会場に行くか。ここの大扉の先にいろんな組織が集まり依頼を受ける集会場がある」

 「綺麗……」

 「ひろ!!!!」


 集会場はとても広くて壁や床は白い大理石が使われていて天井には黄金のシャンデリアが吊るされている。


 「でここは接客室だ」

 「ここもきれいですね」

 「学園の理事長みたいね」


 確かにこの部屋は理事長室みたいだが……いやここの設計をもとに作られたのが理事長室だからそれもそうか。


 その理事長室は床に赤い絨毯と綺麗なクロと白の石タイル。そうここの大本部はやけに大理石を使うんだ。


 ほかのいろんな場所を案内してやっと1Fを案内し終えた。レイ班が次に向かったのは地下深くにある施設だ。


 「暗いわね」

 「そうですね~。確かに不気味な雰囲気ありますよね~」

 「それもそうだな。今この道は普段組織は使わない」

 「ではどのような人が使うのですか?」

 「まぁ~ここは捕虜とか囚人が通る道だからね」


 エリスとミシェラは捕虜と言う言葉は理解したが、その囚人は理解できなかった。ここで簡単に説明すると、この裏ギルドは刑務所と連携しているためこの後紹介するもう一ついや二つの施設でその囚人は使うことになるだろう。


 「なるほどです」

 「ある程度分かったは……」


 そして収容所に着いた。この収容所は先ほども言った捕虜やほかの刑務所から輸送された者がたくさんいた。ここにいるものは全員悪人で殺されてもなんも文句が出ない連中だ。その中にはガラの悪い者もいたがこんな少女二人を目にしても一言もしゃべらない。


 「ここしずかですよね」

 「確かに声一つ聞こえないね」

 「そうだね。この六色収容所のルールに関係しているんだ」


 俺はエリスとミシェラにその理由であるこの収容所のルールについて二人に教えた。ここを管理しているのはまずあのピンクのリリーだ。もちろんこの収容所では何もしない。この場所よりもっと地下の場所で拷問や取り調べが行われる。


 ではここのルールを教える。


 一つ目は、一言も聞こえない理由でもある。無言だ。


 二つ目は、ご飯を食べる。これに関しては他の刑務所よりか緩いポイントでもあるが、これもリリーの策略で取り調べや拷問で傷ついた体を治すためにリキッドが開発した回復薬をご飯に入れて食べさせる。そして完全復活した捕虜などをまた取り調べをする。そんな理由だ。


 三つ目は、管理者の言う事と特定の人物には反抗しない。これも管理者と言うのはリリー本人だ。そして特定の人物は……俺達六色光のことだな。それ以外は犯行しても良いのだが、してしまったら一つ目のルールに違反してリリーの遊び場へ連れていかれてしまう。


 「でこんな感じだな。あまり挑発はするなあそこに連れていかれてしまうからな」

 「あそこ?」

 「って何所よ?」

 「あぁ、それはなあ~。まぁあ行けば分かるさ……」


 そして俺は問題となる場所へ向かったのであった。

 

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