第6話 2学期

2学期

ようやく席替え。

うちは窓側の後ろの方の席で、高橋は廊下寄りの前の方の席。

親友と近くなったからそれは良かったんやけど、席替えしてがっかりした。

自分が何でがっかりしてるのかな?って考えたら高橋以外がっかりすることが思いつかない。

あれ?うち?

うちは気になって高橋を見てしまう。

あんだけ借りまくってたのに席替えしたら自分の筆箱持ってきてるし、うちのシャーペンは借りパクするつもりなんか返してくれてない。

見てたら、時々高橋と目が合って思いっきりそらしてしまう。

あー、うち高橋の事好きなんや…。



2学期は学祭がある。うちの学校は文化祭と体育祭をまとめて学祭として開く。

学祭のクラス委員決めを今日はする。

先生が立候補いるか〜?って聞いたら

「はい!はい!俺やる!!」って高橋が手を挙げる。

高橋、こういうの好きそう。納得。

他に立候補もなくて男子は高橋に決定。

女子は立候補ないんか?って先生聞くけど誰も手を挙げない。

推薦とかあるか?って先生が言ったら

「カッパ!お前やれよ」って高橋が名指ししてくる。

断りにくい雰囲気で、じゃあ…って一緒に委員する事になった。内心ガッツポーズだった。


まずは体育祭の出場種目決め。

足が速い子はリレー。その他は希望で被ったらじゃんけん。

うちも高橋もリレー。体育祭の事はすぐ決まる。

文化祭は多数決でトランプやオセロ、スーパーファミコン、PSをクラスメイトと対戦して勝ったら駄菓子貰える色々ゲーム屋さんになった。

クラスメイト見分ける為にクラスTシャツも作る事に決まった。


無地のTシャツにペイントする事になって、それの買い出し。

休みの日にうちも高橋も部活が午前中で昼から高橋と待ち合わせて、先生に教えてもらった店まで自転車で行く。

色んな色の無地Tあって、色とサイズの確認。

色はうちの希望で水色に。

女の子はMサイズでみんな大丈夫そう。

Tシャツを高橋の背中に当てて、肩がここら辺に来るって肩らへんを触るんやけど、めちゃくちゃドキドキする。

高橋は背は高いけどヒョロヒョロ。

骨格はしっかりしてて結構肩幅ある。

Mサイズ着れるけどLの方がいいかな?って感じ。

男の子数人と先生はLサイズだろうなってことで、何枚かLサイズ混ぜてペイントする染料と一緒に買う。


「高橋まだ時間いける?公園でも行って相談せん」

「うん、ええよ」

公園でブランコ乗って話す。

すぐ話がそれてどうでもいい話になる。

やっぱり高橋と話すの楽しい。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る