第28話 ドキッ

【あのさ、たぶん帰り大混雑だから、ここはそんなに混んでなくても、交通障害の影響でさ。みんな近くに泊まっていかない?足痛いし…玲奈近くのホテル泊まったでしょ?】


【涼、ごめん、足は私のせいだね。ホテル予約してみるね。あれは事故だから気にしないで、ちょっとドキッとしたけどね。ふふっ】


馬鹿!玲奈、何いってんだよ!わざとだな!

こういういたずら昔っから、こいつ!

ほら、るいがじ~と見てる。こいつ、鋭いからな!


【涼ちゃん!何かな~事故って、ドキッって?】


【何でもない。転んで…】


【それが何でドキッってなるの?】


もう、うっさいな、るい。

玲奈にアイコンタクトで助けを…通じるか。


【るい、私が悪いの。涼のこと引っ張って、それで…ごめんね。事故だから】


るい、玲奈と俺を交互に!やばいぞ、これ。


【回りくどい!はっきり言って!何?ドキッての!】


もう俺が正直に言う。


【ごめん。るい。転んだ拍子にキス…しちゃった】


るいが、なるほど!という顔で。


【それで、納得!玲奈がおしとやかになってさ。

おかしいなと。なるほどねー、ふーん、

事故か…キスか…故意か…】


さーて、これからどうなるか。玲奈が余計なこと言うからこんなことに…玲奈、何とかおさめろ!


【るい、わざとじゃないの、涼も気にしてないから。ほんとごめん】


【いいの、事故でしょ。気持ちがないならね!】


ヤバい、語尾が強い、怒りだした。

どうするか、何とかする方法は?


【るい、大好きだよ、可愛いね】


るい、無反応…

玲奈も慌ててフォロー、


【るい、ごめんね。ほんとに事故なの】


二人の必死な姿に、ようやく、るいは、


【もう聞かない、忘れる】


何とか納得してくれたね。


【ここ電波入らない、ホテルの空き確認できないね、ちょっと外出てみる。ユキもトイレでしょ。一緒に行こう】 


玲奈、ユキが外に。


るい、もう起こってないよね?

沈黙の後、るいが、


【涼ちゃんってさ、イケメンでないのに、女性との接点が多いよね。なんでだろ?】


【悪かったね、イケメンでなくてさ】


るいは、笑って、


【玲奈も、さきも、もちろん私もね。結構いい女揃ってる。この前さ、未来に飛ばされた時の、大人だったユキも。正直、あの時のユキが一番でしょ?】


【まあね、正直言うと…好みだね。ごめん】


【いいよ、もう解ってる。それにユキは子供にもどってるし】


【るい、あのさ。このように未来、過去行き来していてさ、なんで俺達は変わらず。ユキだけさ、

子供→大人→子供ってなるんだろ?】


【それぞれ副作用あるって、さきは言っていたけど、ユキにはそれが強く出てるね。最近、ユキの成長がとても早く感じるけど、涼ちゃん、なにか気がついた?】


【解らないな…大きくなってるけど、子供って、そんなかなーとか、ただ、ユキのヒーリング能力とか不思議なこと多いね】


玲奈、ユキが帰ってきた。


【お待たせしました。空きがあったからね。

二部屋抑えた。いい?それで】


玲奈とユキの部屋。俺とるいの部屋だね。

空いてて良かった。


【ユキ、涼ちゃんとがいい!】


【ユキはお母さんとね。それまで涼ちゃんと遊んでいられるから】


ユキが渋ってる。いじけてなんか可哀想。

でも、俺とるいの部屋は変えられないね。

ユキ、ごめんね。それまで遊ぼうね。


それから俺達は、ジェットコースター、フリーフォール、スカイサイクリングなど乗り、クタクタに。

徐々に混んできて、早めにホテルへ向かうことに。


【ホテルのロビーに服売ってるみたい。そこで着替え買えばいいね。俺が全員分買うから、泊まるって考えてなかったから着替持ってないでしょ?】


るい、玲奈、大喜び!


【涼ちゃん、太っ腹だね、ありがとう】


【涼、ありがとう。ユキのもいい?】


【もちろん、ユキにも可愛いの買ってあげて】


来月ピーンチ!でも、楽しいことを、思い出を、

もう何が起きても後悔したくない。

明日この世界が終わるかも…


先のことは忘れよう!とにかく楽しむ。


ホテルに着くと、すぐに服を買いにいき、


玲奈は👕にショートパンツ、

るいは👕にミニスカート、

ユキは👕にジーパン。


みんな気に入ったの買ったね。


るいが、玲奈を見て、


【玲奈って、美脚だよね。羨ましい…】


【そうかな?ありがとう、るい。るいもスタイルいいと思うけどね】


そんなやり取りが聞こえてくるが、ユキの服が、

何より可愛い!これにベースボールキャップとか、

いいかな?


【ユキ、こっち来て】


俺はユキに似合いそうなベースボールキャップを。

とりあえず試しに、おおっ!凄い似合う!

これにしよう。


【ユキ、似合ってるよ!可愛い!】


【涼さん、ありがとう。嬉しい、似合ってるって言われるの】


るい、言ってたこと合ってるかも。

やはり成長速度早いかも。


るいが、


【涼ちゃん、ちょっと…】


【どうした?】


【やはり、早いよね、成長】


【俺もそう思うよ。玲奈は毎日見てるから気が付かないと思うけど】


るいは、


【涼ちゃん、ユキだけ特別に帽子買ってあげたの?ズルくない?】


【解った、るい達も買っていいよ】


【涼ちゃん選んで!】


るい、ユキと張り合ってる。相手は子供なのに。

とりあえず何が似合うかわからない。


ユキが、


【るいちゃん、同じのにしようよ!】


ユキ、ナイス!


【じゃ、同じのにしておそろにしよう!】


玲奈は、どうするんだろ?


【私はいらないよ、帽子似合わないから】


それなら、それで。これ以上出費は厳しいからね。


【涼ちゃん、宿泊費私が持つよ、玲奈はユキの学費、習い事など大変だから】


るい〜ありがとう。助かります。


【ありがとう、こんなに出費とは思わなかった、

助かるよ、ほんと感謝】


るい、じ~と見てる。何か言うんだろうな。

だいたい読めるようになってきた。


【普通さ、それくらいいいよって言わない?】


…それは…そうだけど…厳しいので…

なんだ?向こうから見覚えのある男が、


【るいさ〜ん!久しぶり!】


おっ、るいの同僚か、るいに告白した青年!

さきさんもまさか来てるのか?


…いないようだな。さきさんは。


【なんで、あんたここにいるの?】


るい、うっとおしそう。確かにこいつのテンションうっとおしい。


【彼女とデートですよ、ここの遊園地の幽霊屋敷👻とか何とかがチョー怖くて有名らしくて、確かに怖かった。おかげで彼女とラブラブ!それで…、

知ってました?あの幽霊屋敷👻、今日事件あったんみたいです】


何、事件って?心霊現証とか?

俺とるいが見合わせて、同時に、


【何、事件って?】


【それがですね〜、スタッフ何人か怪我して。

相手がスタッフを叩きのめして。その人噂では、一人だったらしいんですよ。バケモンですよ。

幽霊だけに!そこ笑うとこですよ!それにしても、

ただでさえ人数足りてないでしょ、それなのに、

スタッフ可哀想ですね。いやー、凄い人いるもんですね。👻よりもその人のほうが怖い。バケモンですね、ほんと。蹴り技が凄かったとか…あれ、どうしました?なんか…大丈夫ですか?】


ヤバい、るいイライラ!

青年、そこまでにしておけ。もう帰れ!


るいは、


【それで、彼女待ってるじゃない?】


【あっ、それじゃ、ん?あれ!涼さん、そちらの、

美脚さん…美人さんは?】


【ああ、俺の知り合いの、玲奈】


おいおい…玲奈に興味持ち始めたか。

お前最初、美脚って…

こいつ、早めに退散させたほうがいい。


【早くいけよ、彼女待たせるなよ!】


【あっ、そうでした。それじゃ】


玲奈が、


【あの人誰?るいの知り合い?変わってるね】


るいは幽霊屋敷のことでイライラしてる。


変わりに俺が、るいに告白した職場の同僚のこと、

さきとの関係性、などなど話した。玲奈は、


【へぇー、るいモテるじゃん!】


【あんなのに言われても、不愉快だよ。あいつ、とんでもない女好きだし、見境なくいいよってくる】


【るい、それりゃ可愛いから仕方ないよ】


るい、嬉しそうに…


【ありがとう、玲奈】


とりあえず、さきさんはいないようで…

酒飲んでここにいたら大変だからね。


んっ、?ユキ引っ張ってる。どうしたの?


【涼さん、お腹空いたよ…】


そうだね。昼軽くしか食べてない。

よし、レストラン行こう。ビュッフェスタイルの。

スイーツもたくさんある。


【ユキ、何食べたい?】


ユキを肩車して、聞いた。


【スパゲティ、フライドポテト!】


コスト安めだね。ローストビーフなど食べてほしいな。


玲奈が、るいに、


【ユキはさ、あの涼の優しさが大好きなんだね】


【涼ちゃんのたった一つの取り柄だもんね】


なんか、俺、ディスられてるの?


【涼さん、幽霊屋敷のバケモンって何?】


ユキ、もうそのことは触れないでちょうだい…























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