第12話 何が起きてる?

やはり生活すると、細かい問題は出てくる。


【涼ちゃん、洗濯物畳んで!】


【涼ちゃん、急いでトイレ出て、時間ないよ】


【るい、帰りに買ってくの何だっけ?】


お互いに仕事していると、のんびり出来るのは

週末のみ。でもその分週末が楽しみ。


転職したばかりの俺は金曜日の仕事は、

来週に持ち越さないように、それは、

週末気になって楽しめないから。


るいは気にしないで、月曜からバタバタしてる。


お互いの性格の違いだねー。ただ、気になるのは、

るいの職場飲み会が多い。


【るいちゃん、しっかり守ってるからねー】


るいの職場の先輩からの連絡。遅くなると

時々連絡がくる。とても有り難い。


誰にも可愛がられている、るい。

お酒そんなに強くないのに…飲み会多いな。


ここのところ、金曜毎週じゃん。

遅くなる時は駅まで迎えに行くけど…

夜道は心配、今日も迎えに行くしかない。


意外と抜けてるとこあるからね、るい。


【涼ちゃん!ーーーーー迎えにあんがと!、

いつもすまん!亭主よ!】


なんだ、それ、るい。


【すみません、るい、少し酔っていて】


るいと同じ課の同僚だ。さきさんって

言っていたような?仲良いことは聞いてる。


【わざわざここまで、すみません】


【いえ、大丈夫です。では、私はこれで失礼

します。あの…るいちゃん叱らないで下さいね】


叱らないけど、最近毎週だもんな。


【解りました。かなり酔っているるみたい

だけど…】


るいがその女性が帰ろうとすると、


【さきちゃーーーん、泊まってけ!明日土曜日!】


るい、何勝手に…でも遅いからな。確かに。


【るいも言ってるし、良かったら】


【でも、ご迷惑では?】


【さきちゃーん、迷惑ない!大丈夫、大丈夫】


【本当に来てください。職場のるいのことも聞きたいし、お願いします】


ちょっと、るいのこと聞いちゃおーと。


【すみません、ではお邪魔させてもらいます】


【おー、さき、酒買ってこーぜ!】


【るい、ちょっと黙ってろ。まっすぐ歩け】


【涼ちゃーーーーーん、おんぶ】


駄目だ、こりゃ、酔いすぎ。


【るい、歩けそうもないので、おんぶします】


俺はそうするしかないな。


【すみません、上司のお酒断れない状況に、

るいちゃん、職場で人気があるから。

止められなくて、すみません】


【いや、えーと、名字は?名前はるいから…】


【さきで、ひらがなで さきです】


【さきさん、るいからよく聞いています。

いつもるいがお世話になっております】


【そんな、涼さんのこともよく聞いています、

優しく素敵な旦那さんと】


るい、変なこと言ってないよな?


【こんな、平凡な男です。平均以下です】


【そんなこと無いですよ】


そうこうしてると、家に着いた。


るい爆睡。これは起きないな。

とりあえずベッドに置いておくか。

さきさん連れてきた意味がないだろ、るい。


【さきさん、こんなものしか無くて…】


ビール、サワー、おつまみのナッツ。


【すみません、気を使わせてしまって】


るいのいびきが…うるさいな、こいつ。

ヨダレたれてるし、さきさんとそんな、

るいを見て笑った。


【るいちゃん、仕事は凄く早いんです。

たまに、ミスしてもこの性格と容姿だから、

みんなに許される。人徳です】


【家でもミスしますよ、俺は怒らなくても、

指摘はします。反省しないやつなので】


さきさんは、ふふっと笑って、


【るいちゃん、涼さんのこと褒めまくりですよ、

だからある意味あの職場でも安心出来ます】


あの職場?


【あの職場って…】


【あっ、さっきからすみません。涼さんって呼んでしまって】


【あっ、いいの、いいの、むしろ慣れてる】


なんか、ユキのこと思い出すけど、涼ちゃんで

無ければいいかな。固っ苦しくないし…


【実は、るいちゃん、結婚してるって知らない

新入社員が告白してきたりして…】


【そんなことあったの?、るい、言わないん

だよな〜】


【あっ、すみません、聞かなかったことにして、

それにすぐに結婚してること伝えていたし、

怒らないであげてください】


【怒らないけど、さっきも言ってたけど、

怒られることなんかあるの?】


【私から聞いたって言わないで下さいね。

るいちゃん、怒られることに慣れてないって

感じで普通誰でも嫌だけど、とくに男性には。

もしかして何かあったのかな、と思っています、

もちろんるいちゃんからは何も聞いていません】


知らないことがまだまだある。るいって。

幼少期のことはほとんど知らない。


さきさんは俺の顔をじっと見て、


【るいちゃん、最初に涼さんのことが気になった

理由って聞いています?】


【聞いてない、いつだろう?】


【駅で自転車出してくれたと言ってました】


あー、あれか!そんなことで…


【るい、出せなくて困っていて、でも、

そんなことで。変なやつ】


【そういうの嬉しいですよ、これも聞かなかった

ことに。なんか多いですね、それとすみません、何とも言いにくい、お願いがありまして…シャワー貸していただけますか?今日飲み会の前に忙しくバタバタしていて…】


そうだ。俺は何で気が付かなかったんだろ。


【そうですよね、すみません、こちらです】


さきさんを案内した。るい、昨日掃除当番だったけど、大丈夫かな?けっこう手抜きだからな。


【すみません、お借りします】


【あっ、るいの服ですけど、良かったら】


【ありがとうございます。お借りします】


俺はるいを見ていると、笑ってる、変なの。

何を夢見てんだ?


【あちー!】


うわっ、びっくり❕起きたの?

ジャケットだけ脱いでまた寝た。よく寝るね。


るいの寝顔って、幼いな。なんか、童顔だとは

思っていたけど。でも、なんか可愛いぞ♥


俺はるいのほっぺにキス。可愛すぎて、

まぁ、夫婦だしいいよな。これくらい。


あっ、またいびき💤酒飲むといつもこれだね。

普段はいびきなんて…


【涼ひゃーん、抱っこーーーーー!】


はいはい、しょうがないね、まったくもう。

るい、酒くせー、それに少し汗の匂いも。

とりあえず着替えさせるか、シャワーは

無理そうだな。


【るい、着替えるぞ、ほら起きて】


【はーい………………】いびき💤


起きないな、まぁ、時々あることだから、

慣れてるけど。

とりあえず俺はパジャマに着替えさせた。

これで、いいだろ。


【涼ちゃん…トイレ…連れてって】


おい、面倒だな、こいつ。いつになく面倒だぞ。

トイレに連れていき、またベッドに。(-_-)zzz

寝るの早っ!


お腹見えてる、寒くないけど、とりあえず直して…

あっ、あれ?さきさん?


【あっ、シャワーありがとうございました】


いつ出てた?気が付かなかった。


【変なとこ見せて、申し訳ない!】


【いいんです、どおりで、るいちゃん】


【るい、変なこと言ってました?】


さきさんは笑いながら、


【涼さんに甘えられるって、それが凄く嬉しいって、優しくされるって幸せだって、よーく

解りました。るいさんに合ってますね】


【そんなこと、それ以外に変なことも言ってるでしょ、るいは】


さきさんは、少し迷って、


【気を悪くしないでください。あの涼さんは匂いに敏感なんですよね?時々匂いを…】


あいつ、何でもかんでもしゃべって!


【冗談ですよ、冗談!ふざけてやっていて…、それでもしかしてシャワーを、すみません。本当にごめんなさい】


【あっ、でも汗かいていたし、ちゃんと着替えももっていますので。でも、るいちゃんの借りちゃって、助かります】


さすがだね。着替え持ち歩くって。

俺は経験ないね。出張で足りなくなったら買う。


さきさんは大人の女性って感じ。

雰囲気美人、るいとは年齢離れてるのかな?


シャワーを浴びて、何ともいい香り。

何気なく話しているけど、何か気まずい。


【俺もシャワー浴びてきますね】


【るいちゃん、見てますから、ごゆっくり】


俺はシャワーを浴びながら考えてた。

るい、職場の男達にどう接してるんだろ?

気になるよなー、るいの容姿とあの性格だと。

さきさんの話だと、大丈夫ってことだけど。


あっ、ヤバい!着替え忘れた。いつもの調子で

入ってしまった。これは、さきさん来てるし…

そーと取りに行くしかないな。


忍び足で着替えを取りに行く、さきさんが

話してる。るい、起きてんのかな?

何話してんだ?気になるー、俺のこと?

褒めてる?ちょっと聞いてみよう。


【るい…話したほうがいいんじゃない…、

涼さんにも聞かないとさ】


るい、寝てるよな?さきさんの独り言?


【るい、解るよ。涼さんのそばにいたい気持ち、だからこそ話すべきだと思うけどな…辛いけど】


おいおいおい…これただ事じゃないぞ!

気になる、気になる…これは気になる。


【るい、もしその決断で離れてしまっても…】


俺は着替えを忘れて立ちすくむ。

るいと離れる?何でそんなことになるんだ…

何が起こってる?


そんなこと、るいから何も聞いてないぞ。


さきさんが言ってる言葉、嘘ではないことは、

その重さから伝わってきた。




























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