転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ

覚醒

第1話 転生

「ああ、疲れた」


 俺、遊戯遊太ユウギユウタ25才は仕事が忙しく終電を逃した。

 歩いて家を目指す。

 途中で目についたネオンの光に誘われ、ゲームセンターに入った。


 ゲームセンターか、懐かしいな、高校以来行ってない。

 よく、ユーフォーキャッチャーをやったな。

 久しぶりにやってみようかな。


 そこで悲しい気持ちになった。

 最近遊んでいない。

 朝早く会社に行って、夜遅くに食事とシャワーと寝る為だけにアパートに帰る生活に疲れていた。


「……遊んで暮らしたい」

『いいですよ』


 頭の中で声が響いた。

 その瞬間に時間が止まり、意識だけが動いている。

 俺の体がサイコロのようにバラバラになって光に吸い込まれていく。



 目を開けるととても美しい女性が目の前にいた。


「私は女神ティアです」

「あ、どうも」


 女神さまが俺の近くに近づいて来た。

 距離が近いしいい匂いがする。


「異世界転生に興味はありますか?」

「ええ、まあ。異世界転生系は好きですよ」

「良かったです。異世界転生すれば今よりはゆとりのある生活が出来るでしょう」


 働いて寝るだけの生活から解放される。

 会社で理不尽に怒られる事も、責任を押し付けられる事も無くなるのか?

 なら、異世界の方が良い、そう思えた。


「遊び人のジョブを得て異世界転生をしましょう」

「……遊び人」

「そうです。遊んで暮らしたいですよね?」


「いや、そうですけど、そういう事じゃないって言うか……遊び人を頑張れば賢者になったりとか」

「そういうのはありません」

「遊び人って強いんですか?」

「異世界では最弱とは言われていますが、そこまで悪くはないので大丈夫ですよ」

「賢者にはなれないんですよね?」

「もう、ドラ〇〇じゃないんですから、そう言うのは無いですよ」


 雲行きが怪しくなって来た。

 遊び人は弱い、そして賢者になれない。


「チェンジって出来ますか?ジョブチェンジです」

「他のジョブになるとしたら商人ですが、異世界転生をするなら遊び人になって欲しいです」


 遊び人は弱いかもしれない、でも、今俺の生活はどうだ?

 女神ティアの話し方を考えると、今より生活はよくなりそうだ。

 今よりゆとりのある生活が出来るなら十分じゃないか。


「……分かりました。遊び人として何かしなければならない事はありますか?」


「いえ、あなたの心のままに生きてください。それが結果世界にいい影響を与えます」

「あの、俺、私は遊んで暮らしたいと思っているんです」

「問題ありませんよ。ですが1つだけ言えます。あなたが働いている病んだ会社より、異世界の方が人々の心は健全です」


 病んだ会社、女神さまのその言葉が決め手になった。


「遊び人として、異世界に行きたいです」

「ありがとうございます。所で、あなたの固有スキルを発現させる事が出来るのですが……」


 女神さまが固有スキルの説明を始めた。

 固有スキルの発現、俺が潜在的に持っている力を引き出す事が出来るようだ。

 


 ◇



 俺は決断した。


「いいのですか?」

「はい、固有スキルの記憶を消してください。そうしないと怠けてしまいそうなので」

「分かりました。来るべき時が来るまで記憶と固有スキルを封印します。ですが、来るべき時は封印を解除します」


「お手数をおかけします」

「いえいえ、所で、若くてきれいな女性は好きですか?」

「ええ、まあ?」


 女神さまの体を眺める。

 AI画像のように非の打ちどころのない姿だ。


「女体は好きですよね」


 女神さまが綺麗な笑顔でほほ笑んだ。

 質問の意味が分からない。

 女神さまの上品なしぐさと発言が噛み合わない。

 

 きれいな声で言っているのに言葉の内容はおっさんだ。


「ふふ、実は転生場所を2つの内どちらにするか迷っていました。運命的にどちらも似た感じにはなるのですが、ユウタさん?」

「はい?」

「女神さま、どこに転生させてんだ~とか言わないでくださいね」

「……ん?わかりました?」


「では、転生の時です。あなたは黒目黒髪の新しい体で転生します」


 声を出そうとした瞬間に俺の体がサイコロのようにバラバラになり、光に吸い込まれていく。

 光の道を高速で進み、そして光の円にぶつかると、周りの空気が変わった。


 ぷにゅん!ぷにゅん!


「「きゃあああああああああああああああああああ」」

「まぶしい、ここは?」


 俺の両手は柔らかい感触を感じていた。

 揉むととても感触がいい。


「ちょ!ちょっと!」


 目を開けると美しい女性の上に馬乗りになっていた。

 そしてその女性は服を着ていない。

 ここは、女湯か!!

 ぷにゅんぷにゅん!


 俺の手はきれいな女性の胸を鷲掴みにしていた。

 大きい!

 銀色の長い髪、赤い瞳、褐色のきれいな肌に目を奪われる。


「離れなさいよ!」


 俺の下敷きになった女性が拳に力を入れると周りにいた女性達がその腕を羽交い絞めにした。


「アリーチェ!やめて!」

「さっきの光の柱、この方は転生者様よ!アリーチェが殴ったら死んじゃうわ!」

「転生したての転生者様は経験値ゼロ状態なのよ!」


「は!すいません!な、何で女湯にいるんだ!女神さま、どこに転生させてんだああああああ!!」




 あとがき

 新作です。

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