全校集会

 放送朝礼は、先輩の声しか聴くことができなかったけれど。

 講堂で行われる全校集会では、先輩の姿も見ることができた。


 そして、先輩のあいさつを

 壇上に先輩が立たれている姿を見ることができた。


 あぁ……


 わたしの目には、先輩の姿しか映っていなかった。

 先輩の声しか、聞こえていなかった。


 今日の先輩の姿も、

 優等生、そのものだった。


 校則をきちっと守っているから、おさげになる。

 長髪は結ばなければいけないから。

 だけど、先輩以外に左右におさげをしている人はいなかったと思う。


 スカートもひざ下。

 といっても、

 ジャンパースカートの制服では、スカートを短くするなんて、

 高校組(高校から入学してきた、外部の中学校からの入学者)の人達くらい。

 先輩は、もちろん、内部進学の人だから。

 靴下だって、白の三つ折り。


 先輩が、生徒会長だから優等生の格好をしていたのか、

 優等生だから生徒会長になれたのか、

 中学部の新入生のわたしには分からないことだったけれども。

 わたしは、きっと、後者だと思う。

 先輩は、生徒会長になる前から、あの姿だったと、

 わたしは思っている。



 わたしにとっては、憧れの……





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