第24話 許さない(ローズ視点)

〜ローズ〜



許せない。どうして、私が王妃になる予定だったのに。鬼のような形相で歯を食いしばっているのはローズである。



彼女はお家を取り潰され平民になった一番バカにしていた、あの平民に。



「そんなに怒るなよ。母上のおかげでいいところには住めてるじゃないか。これで1時的に免れる、後は落ち着くのを待つだけだ。それに俺の子だとわかればまた違った計らいになるはずだ。」




そう言って嗜めてくるのは元第3王子のルークだ。この男が王子だと言ったから狙ったのに富んだ不良物件だ。淡白な夜しか過ごせないし、自由でもない、今は権力もお金も持たない。



「うるさい、元はといえば、うまく言いくるめなかったあなたのせいよ。」




私は彼に怒りを向けた。彼はたぢろいだ。




「わかった。方法を考えるから時間をくれ。」




そう言って彼は屋敷から出て行った。




ここは王宮から遠い首都の端っこで森の中にある隠れ家的な屋敷だ。古臭いし、いい家具は置いてないし、贅沢はできないし、私の望む生活じゃない。



「なんであいつだけが評価されうまく行ってるんだ。私はこんな生活を強いられているのに、全部あいつのせいだ。」





親指の爪をかみながらひたすら考える。



どうすれば私の思うように過ごせるの。あの女なんでも持っているのに目障りだ。どうすれば……。









ふと屋敷のだあが開いた。誰もいないはずなのに…。




「誰かいるの?」




驚いて声をかける。すると日野と持っていない暖炉のある方から声が聞こえた。




「復讐して取り返したい?君の望み叶えてあげようか。」


そこにはさっきはいなかったマントを被った何かが立っていた。



「誰なの?本当に叶えてくれるの?」





恐る恐る聞いた。




「ああ…、でも条件がある。僕の望むものをとってくれればの話だ。」





マントから怪しげに光る二つの身が見えた。





「わかったわ。なんでもする。その代わり私は王妃になって贅沢をして、私の嫌いなマリアに復讐をして。」




「じゃあそのための力をあげよう。」




そう言うとマントのものは左手をあげ、黒い球体を作り出した。その不気味な紫を纏った黒い塊はサッカーボールくらいの大きさになって、私のところに飛んできて私の胸元に入った。




「う…。苦しい……。」



苦しみで胸を抑え洋服を強く握る。




数秒苦しむと急に力が湧いてきた。


ゾッとするような力で私を包んで行く。



「ワハハハハハ……。」




私はこの力に喜びを感じた。




大きく手を広げ、私は天井に向かって笑っていた。









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