第22話 お祖母様とのお茶会

緑豊かで花の種類も多い東の庭は、お祖母様のお気に入りの場所である。


さらさらと流れる水の音が聞こえる。



「あなたがもっと落ち込んでいるかと思っていたわ。抱え込んでいるの?」



お祖母様は私に優しい瞳で訴えて来た。




「そうではないのですが、考えたくなくて…。自分を責めてしまうので。」



優しいお祖母様の声で少し涙が出て来そうになったがグッと我慢した。




「そうですね。話したくなったら話してね。お祖母様は、あなたの味方ですよ。」



優しく微笑むお祖母様。私はその顔を見て我慢していた涙が溢れて来た。まだ話す勇気はない…情けない。



そう後のお祖母様とのティータイムは楽しかった。幼い頃に会った以来手紙でのやり取りしかして来てこなかったが、私とお祖母様は、あっという間に仲良くなれた。



優しいお祖母様だからこそ、精霊士なのだ。私も妖精が見え精霊市ではあるが、帝国には妖精はいなかったので、当たり前だが、お祖母様ほどの能力はない。この国にはいろいろな精霊士がいるが、私のお祖母様ほど偉大な方はいないだろう。本になる功績もほとんどお祖母様のものだ。





私はお祖母様をとても尊敬している。



お祖母様とのお茶会の最後にお祖父様とサイラスが2人でやって来た。



彼はニコッと笑った。



彼とお祖父様はどんな話をしたのだろうか。



気になったが、異国のことに首を突っ込むのは良くないのでその場では聞かなかった。




「羨ましいな。マリアとティータイムなんて、晩御飯は一緒にとろうな。」




お祖父様が私に笑って話しかけて来た。



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