第19話 ウエスターナの2日目の朝(1)

庭でそよ風が吹き花たちが揺れている。



朝目が覚めると私は彼のところに行った。

今日あたり目を覚ますはずなんだけど。

私は、靴と寝巻きのワンピースの上にカーディガンを羽織った少し楽な格好で行ってみた。彼はまだ目を覚ましていなかったが、私たちの魔法の影響で傷はなくなっていった。深い傷は、昨日はまだ少し痛そうだったが、それも普通の数と変わらないくらいになっていた。



昨日お祖父様に言われてついて来た2人の騎士は別の部屋を借りて泊まってもらった。茶髪の男性がユースタス、黒髪の男性がローと名乗った。彼らは、若手の中では優秀な騎士で、お祖父様の持つ、レオアリア騎士団の優秀な騎士だ。黒の制服に金の縁があり、ボタンにレオアリアの紋章が入っている。かっこいい制服だ。




「おはようございます。マリア様。」



2人が声をかけて来た。



「おはようございます。よく眠れましたか?」



「はい。ありがとうございます。」



彼らは、今までお祖父様やお祖母様の護衛などについていたせいか、慣れなく照れくさそうである。



「う…!」


うめき声が聞こえると、男の人が目を覚ました。



「起きたぞ!」



ラルクがびっくりしたように声を上げた。




「おはようございます。ご気分はいかがですか?」



「おはようございます。すみませんがここはどこでしょうか?私はどうしてここにいるのでしょうか。」




「森の中を倒れていたので、このホテルで療養してもらっていました。お身体はどうですか?」



「傷を負っていたのにとても軽いです。何日でしょうか。」




「そうですか。きょうは、今日6月28日です。」



「もっと怪我をしていたはずなのにこんなに治っているなんて、どうお礼をしたら良いか。」



彼は、起き上がってあたふたしたように見せた。



「ふふふ…。いいのですよ。お身体が戻りましたら、朝食でもどうでしょうか。お名前も聞きたいですし…。」



「朝食まだいただけるのですか、申し訳ない。ですが、できればいただきたいので、ぜひご一緒にさせてください。」



彼は恭しい態度で私を見る。


「どうぞ。では、お先に準備をしてから隣の部屋にお越しください。」



私は一礼してその部屋を後にした。

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