第17話 祖父母の家

お祖父様とお祖母様は政界から一歩退いているがまだ権力者である。ここで働く使用人たちは行く宛のなかった身寄りのないものが多くそういった支援をしているおかげで、領地でも中心部でも慕われている。お祖母様は貴族令嬢でありながら精霊使いですごく若い時はモテたそうだが、馬車で事故にあった時に助け出してくれたお祖父様に恋をしたそうだ。お祖父様は逆に元からダンスパーティーなどで知っていたが勇気がなく話しかけたこともなかったらしく助けた後、お礼に家に呼ばれた時やっと誘ってパーティーに行けたらしい。二人とも結婚はお見合いだったが恋愛結婚だったので今でもとても仲がいいのだ。



私の周りは恋愛結婚でとても仲がいいので私もそれを望んでいたが、私は婚約破棄された……。



祖父母は私が婚約破棄されたことや、誕生会を台無しにされたことを知っているが

、私にあっても気を遣ってくれてそういった話はしなかった。



ハグをした後、お昼ご飯になった。



お昼は大きな長机のある部屋でシャンデリアと高い天井そして綺麗なお花が飾ってある部屋でいろいろなものが食卓に置いてあった。ジャスミンは食事の挨拶が終わるとすぐにクッキーを食べ始めた。



「お祖父様、お祖母様、これからよろしくお願いします。」



「いいのよ。ゆっくりしていってちょうだいね。今日から泊まるにしては荷物が少ないけれど、どうかしたのかしら?」



「私ウエスターナに来るまでの道のりで男の人が倒れていたのを助けたから、ホテルの客室で寝かせてきたの。まだ目は覚めないけどとてもも重傷だったからジャスミンとラルクと一緒に治癒魔法をかけたの。その方がまだ起きないから今日はホテルに泊まることにしたわ。」



「そうなのか。わかった。明日こちらに来るときは私たちの馬車を使いなさい。マリアもその男がどんな人物かわからないから、家の若手騎士を二人連れて行きなさい。マリアに妖精と聖獣がついていても心配だからな。」



「わかりましたお祖父様。」




お祖父様は少し険しい顔をしたがすぐに了承してくれた。お祖父様は少し顔がコワモテなのでたまにずっと怒っているのではないかと思うが、妖精たちが周りにいたりするのできっと顔が怖いだけなのである。




「せっかくなので今日は精霊の森に寄ってから帰ろうと思います。」



私はそう言ってから置いてあったローストビーフやパンなどを頬張った。朝ごはんを食べたがまたお腹が空いてきた頃だったのでとても美味しく感じられた。




「そうか。気をつけて行ってきなさい。」






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