第4話 私と第三王子②

私は学園内ではずっと一位だった。私は、大体の時間を勉強して過ごす。図書館で勉強していたり、庭園内のベンチでゆっくりと本を読んだら、その度にどんどんローズ嬢とルーク様がいらっしゃるところを見ておりました。



その度に少しずつ自分の心がすり減っていきました。わたしは一生懸命勉強して信頼を得ようと努力しました。もともと勉強は好きでしたので、全然苦ではありませんでしたが、勉強がもっとできるようになればなるほど、私たちの距離は広がっていきました。




ローズ嬢に初めのうちは風紀を乱さないよう。他の婚約者がいる方に近づかないよう。いろいろなことを申し上げてました。私以外の生徒の中にも自分の婚約者が彼女とベタベタしているのを気にされている方がいらっしゃったので、私は代表として声をかけさせていただいたが、


「なんで?私が嫌いだからそんなこと言うんでしょ…。私はただ仲良くしているだけなの。私の勝手だと思うわ。嫉妬してるなんて可哀想だわ。」


となぜか涙目になって被害者のように振る舞い男の人からの共感を得ていた。私たち婚約者を持つ女性たちはとても怒っていたが、それ以上は何もしなかった。私自身、この人には何言っても聞き入れてもらえないと薄々感じ始めていた。なぜなら、それが初めてではなかったから、一部の女性たちは、私が注意される前に婚約者と彼女に一声かけていたのだが、その時もそのような回答だったのだと言う。私が言えば聞いてくれると他の人も思ったようだったが、とても残念だ。



彼女は、男性の胸に顔を埋めながら、泣いているようで笑っていた…。

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