8 光葉の掣肘
外見は純和風という感じの猪阪家だったが、入ってみるとまるっきり今どきの住宅で、少なくとも作法だのタブーだのは意識しないでいいようだった。
普通にテーブルとソファが並んでいる客間に通されると、一応お客さんっぽく麦茶が差し出されてくる。光葉がもてなし役を受け持っているからか、母親も父親も現れなかった。事情を知る者だけで込み入った話ができるのはいいけれど、本当のところ、早苗はひどく落ち着かなかった。未だにこの後の相手の出方がわからない。安心させてリビングに連れ込んでから、二人して襲いかかって早苗を地下牢に閉じ込めたりするんじゃないか、とか、ついつい妄想してしまう。
「じゃあ、先に私から言うね」
だから、光葉がそう口火を切った時は、早苗の顔はひどくこわばっていたはずだった。テーブルを挟んで、居並ぶ姉妹から一方的にネガティブなことばかり聞かされそうで、いっときお尻の痛みも意識から消えたほどだった。が。
「私のこれは〝呪い〟じゃないの。ただのケガだから」
きょとんとした顔で光葉を眺める早苗。聞かされた言葉が頭に入ってくるまで、しばらく時間がかかる。
「え……でも、あの、呪いの話を聞かせてやるって、さっき……」
そう言いながら輝未に視線を向けると、こちらはひどく苦り切った顔で、そっぽを向いている。
「どういう……ことでしょう?」
複雑そうな笑みを浮かべて、光葉が曖昧に頷いた。
「ごめんなさいね。言ってることが支離滅裂で。でも、これがある意味、ここの吹部の〝呪い〟そのものと言えるかも知れない。事故が起きた。ある人は呪いだと大騒ぎをし、別の人はただの事故だと言い張る。……誰かが重い病気になる。一人は呪いのせいだと言い、また一人は気の迷いだと主張する」
少しだけ窓の外に目をやって、光葉が言葉を切った。気のせいか、その横顔にはそこはかとなく徒労感が浮かび出ているように見えた。
「はっきり言うけど、私自身は〝呪い〟そのものには否定的なの。真実、私の足が悪霊か何かのせいだったとしても、私自身はそんなもの感じなかったし、怖いとも思わなかった。悩まされたのは、呪いだ呪いだって大騒ぎする周りの人間たち」
「はあ」
輝未が何かを言いかけようとして、結局言葉を呑み込んだようだ。光葉はそんな妹を横目で見てから、早苗にまっすぐ視線を向けた。
「話を聞いてると、椎路さんは、『風追歌』の〝呪い〟の仕組みを十八年前にさかのぼって色々究明しようとしているみたいだけど」
「え? ああ、はい、そうですね……そんな感じです」
「つまり、何らかの原因があるはずだから、それを取り除いて〝呪い〟をナシにしてしまえばいい、とか思ってる?」
「まだそこまでの段階じゃなくて……とにかく、そういう原因とか
「なるほどね。で、その原因みたいなのが仮に見あたらなかったとしたら、どうするの?」
「それはもちろん、そのまま……発表? しようかと」
「『根拠も何もないから、〝呪い〟なんて存在しないんだ』って?」
「そうです。……えっと、おかしい、ですか?」
ちらっと見ると、視線をそらしながらも、輝未が小バカにするような笑みを口の端に載せている。光葉は逆に大真面目な顔で、
「おかしくはない。私は椎路さんの言いたいこと、とてもよく分かる。でも、もしそういうことをみんなに丁寧に説明したとしても……何も変わらないんじゃないかな、と思う」
「どうしてですか!?」
ついかぶりつくように叫んでしまう。体が前のめりになったせいで、腫れた部分が圧迫されてお尻がじわっと痛んだ。光葉が静かな、けれども重々しい声で、明解に答えた。
「椎路さんがなんと言おうと、〝呪い〟はあるから。原因とか発端とかは抜きにして、経験として……もっと言うと、事実としてある、という意味でね」
「よくわかりません。だって、呪いって、はっきりと呪い手が存在しない限り、あり得ないものじゃ――」
「たとえばさあ」
黙っていた輝未が横から割り込んできた。
「あるところの吹奏楽部のユーフォ吹きが、トランペットのトップと付き合うことになったとする。いい?」
「え? ……あ、ちょっと、それまさか」
「いいから。仮にそういう話があったとして。『なんで好きになったの?』って聞いたら、ペットの男子は、ユーフォの彼女のことを、『妹みたいでいい』とか、『面倒見が良くて俺にピッタリ』とか、もっともらしい理由を――」
「いやっ、だからそれっ、絶対私と」
「だから仮にっつーてるでしょーが。でさ、たとえば周りの人間とか、ユーフォの女の子とかにこっそり調査やってみたら、『面倒見がいい』なんて言える話はどこにもなくて、女の子の方も実は成り行きで仕方なく一緒にいただけだってことが暴露されたとするよ」
「…………」
「この場合、二人の恋はどこにもないものだったって言い切れる? あんたの方はそうかも知んないけど、原西先輩は多分そう思わないよね?」
「……あたし、付き合うなんて言ってないから!」
「なんつっても、その、何日間か何時間か、ペアになってた事実は変わんないでしょ? だったら、それに関して『二人は付き合ってた』と思い込む人も当然いるよね? あ、全部仮の話ね、もちろん」
「なんだか面白そうな話ねえ」
「面白くないですからっ。……つまり、何? 当事者だけ否定しても、噂は勝手に出来ていくとか、そんな話?」
「噂っていうかさ。あんた達二人のコイバナは、あんた達だけのもんじゃないってこと。椎路が『これが真実です』とか言ってネットとかで何か書いても、結局原西先輩との間がどうだったのかってことを判断するのは周りでしょ? あんたの中で恋の真実は一つだろうけど、楓谷の中だとそうじゃない」
「よく分かんないけど……呪いもそうだって言いたいの?」
「そう。『風追歌』の〝呪い〟は、今じゃうちの吹部全員に関わる問題なんだから」
「もっと全体を見ろってこと? もっとたくさんの人たちから、まんべんなく話を聞いて回れって?」
「いや、聞いて回んなくていい。私が言いたいのは、広い範囲で見るもん見たら、一人っきりで〝呪い〟をすっぱりどうにかできるとか、そんな発想出てこないはずだってこと」
「何も余計なことするなって言いたいの?」
「そう。分かってるじゃん」
「つまり、絶望しろと?」
斬り込むような早苗の言葉に、輝未が一瞬言葉に詰まった。
「……いや、絶望って言うかさ。結局、折り合ってやってくのが、いちばん間違いないって納得できる……って言うか」
つい仏頂面で顔を背けてしまう早苗。自分はこんなつまらないことを聞きに来たんじゃない、と思った。まるで、反対ばかりして一歩も先に進まない、安物ドラマの悪役モブみたいな言い方。
そういうイメージは、言ってる方も何となく自覚しているのか、輝未もそれ以上言葉を重ねようとはしない。なんとなく話が平行線になりそうなので、早苗の方から聞きそびれていたことを振る。
「そもそも、光葉さんのその足、何があったんですか?」
「これ? うん、ティンパニ運んでて、階段から転びそうになってね。一人で無理して運んだから」
「は?」
思わず腹の底から声が出て、体をこわばらせてしまう。そうしないとずっこけてしまいそうになったからだ。
「ティンパニって、手締め式の……」
「ううん、ペタル式の。あの当時、買ったばかりで」
「サイズは?」
「二十九インチのだったかなあ。すごく重くて」
「当たり前じゃないですか! そんなのを一人で運ばされたんですか!?」
「んんと、たまたまね。大会から帰って、急いで楽器を運び入れなきゃならなくて、バタバタしてるうちに、なんとなく私一人で運ぶことになっちゃって。パーカッションだから、扱いにいちばん慣れてるからって」
打楽器の運搬時に、扱い方が分からない他パートの部員や応援の外部者たちと、パーカスの部員とで、ちょっとした小競り合いが起こるのは、吹部の日常茶飯事である。デリケートかつ高価な打楽器のちゃんとした運び方など、その場限りの説明をしたところで全員が呑み込めるわけでもない。結果、打楽器の担当部員が「もうこっちで運ぶから」と手伝いを断って済ませることも、ままある話だ。
「二人で別のティンパニ運んでた前の人たちが、急にぐらついてさー。階段で行列してたから、将棋倒しで大惨事になりかけたんだけど、私のところでなんとか止めたのね。でもその時、階段の
百キロぐらいの重みが、一気に足の甲にのしかかったということだろうか。光葉のティンパニだけでも四十キロ近くはあるのだ。その上、斜めからとは言え、人二人ともう一台のティンパニとが落ちかかってくるなど、聞いているだけで頬が引きつってくる。
「お、折れたんです……よね」
「うーん、ちょっと面倒な折れ方したみたいでー。骨がうまくつながらなかったって。で、こうなった」
なんだか意識的にあっけらかんと話をしてるようで、光葉の口調はやたらとふわふわしている。眉間にシワを作って、早苗は輝未を問い詰めた。
「それ、呪いじゃないよね!? ただの事故だよね!? それも、起こるべくして起きた事故でしょっ!? どうなの、現パーカスの部員としてっ」
「な、なんで私に向かって怒るのっ!?」
「怒るよ、当たり前じゃないっ。男子部員は何をしてたの!? 大会帰りでしょ、他の大人とかは!? こんなの呪いの一言で片付けたら、打楽器の人たち、安心して部活できないよ!」
「でも、結果的に私のケガで、そこんとこ、びしっとルールが出来たのは事実だからねー」
感慨深そうに光葉が補足する。喜ばしいことと思っているわけではないにしろ、鬱屈を抱えているようにも見えなかった。
「大会とかで、誰がどの楽器のサポートに回るか、今はしっかり段取りが決まってるでしょ? ティンパニの持ち方なんか、今は入部した全員に教えてるんだよね? それ、全部七年前からだから。で、なんでそこまで様変わりしたかって言うと……」
「え、まさかそれが呪いのせいだって話なんですか?」
「うん、だって、事故だったら『たまたま』で済まされかねないけど、呪いだったら毎年でも毎日でも、繰り返し起こり得るわけでしょ? 最善の策を取らざるを得ない」
「…………」
「別に誰がそんなことを言い出したってわけじゃなかったのにね。いつの間にかそういう空気になっちゃって。はっきり言って私はウザかっただけなんだけど、楓谷みたいな、どっちかって言うと遅れてることばかりやってた部が、なんだか急き立てられるみたいに改革に取り組み始めたのは事実だから……〝呪い〟っていうのも、もしかしたら悪い話ばかりじゃないのかな、と」
「呪いの芯に選ばれた方は、たまったもんじゃないけどさ」
吐き捨てるような言い方で輝未が付け加えた。なんとなく、早苗は二人の言いたいことが分かってきたような気がした。到底受け入れる気分にはなれないけれど、私たちは〝呪い〟とこういう接し方をしているんです、と言われたら、頭ごなしに否定は出来ないような気がしてきた。
「んで、こういう話の仕方をすると、確かにただの事故にしか見えないんだけど、ちょっとヘンなことがあったのも事実なんで」
「と言いますと?」
「声が聞こえたんだって」
輝未がわざとらしく声を潜めていった。ん? と早苗が眉根を寄せても、大真面目な顔で、心持ち背中まで丸めている。
「先頭のティンパニがぐらついたって言ってたでしょ? なんでそうなったかって言うと、階段上がったとこの廊下から、別の人が早足でやってきて、思い切り鉢合わせするところだったんだよね。でも、直前に声が聞こえたの。『危ない、止まって!』って」
「……そんなの、誰かが横から」
「横から見てる人はいなかった。先頭の二人はろくに前見てなかったし、二番目は姉ちゃんだったし、三番目以降が上の廊下歩いてる人に気づけたはずはないの。で、その歩いてきた人の後ろには、誰もいなかった」
疑わしげに輝未を見つめる早苗。なんだか怪談話のテンプレそのもののように聞こえる。が。
「これは正直に言っておくけど……私もその声、はっきり聞いた」
光葉が目を伏せてそういったもんだから、さすがにぎょっとしてしまう。
「公正を期すなら、その場にいたみんな、その声を聞いたって。全く同じようなセリフで、同じような女の人の声だったって。でも、知ってる声じゃなかったって。ごめん、このことだけは、私もうまく説明できない」
微かに鳥肌が腕に立っているのが分かる。もっと曖昧な言い方ならどうとでも切り捨てられるのに、光葉のようなスタンスの人から直接話を聞いてしまうと、さすがに迫ってくるものがある。
「で、こんな話の続きで何だけど、椎路、あんたさ」
「な、何?」
「さっきの部活で、終わりに準備室の奥の方へ行ってたよね? 一人だった?」
「え……そうだけど」
「あそこに久目とか酒科とか、待ち合わせなんかしてなかった?」
「いや? 二人とも今日は練習出ないって言ってたし」
「で、奥に行っても実際に誰もいなかった……んだよね?」
「そ、そうだけど……な、何の話してるの!?」
「声が聞こえた」
その一言までは比較的冷静に話をしていた輝未だったが、そこで急に隣の姉にすり寄って、腰の辺りにむしゃぶりつくようにしがみついた。光葉が嫌そうに声を上げる。
「ちょっとピカ、あんた何してんの!」
「わ、私、準備室の陰で椎路のこと待ち伏せしてて! 音楽室で原西先輩となんか喋ってるのは知ってたけど! 反対側の壁の向こうから、声が……聞こえたんだって、ほんとに!」
姉の体にでもしがみつかないと、それ以上怖くて話せないということらしい。この怖がり方はとても芝居じゃない。早苗もちょっと背中がざわつくのを感じつつ、
「えっと……どんな声? なんて言ってたの?」
「よく、聞こえなかったけど……女の子が……呟いてるような声……『来る』『そろそろ来る』とか、そんなこと、を」
瞬間、冷水を浴びたような戦慄が、早苗の背骨を駆け上がった。まさか、と思いつつ、念を押す。
「いや、それ……音楽室からの声と混ざってたりとか? 私の声じゃなくて?」
「あんたと先輩の声とは別に、反対方向から聞こえたの! あんた達が何言ってたのかは知らないよっ。棚と壁の向こう側なんだから、ろくに聞こえないしっ。でも、私がいたところと、奥の資料棚って、板一枚しかないんだから! 間違えようがないよ!」
なんだか泣きそうな声になって、光葉のおなかに顔を埋める輝未。あ、ずるい、と思った。できるものなら、私も光葉さんにしがみついて震えていたい。
でも、なけなしの矜持で耐えた。
「き、聞かなかったこと……にするから。あ、あたし、何も見なかったし、それに……」
「それに、何?」
顔だけ上げて、輝未が弱々しい目で早苗を睨んだ。いくらか負けん気が戻った気がして、へへん、と早苗はあごを上げてみせた。
「変な声で何か呟いたって、それだけだよね? 声はお尻打ったりしないでしょ? あたしは直接痛いことしてくる相手のほうが、よっぽどイヤ」
すっと姉の身から体ごと引き剥がし、急に元に戻った声で輝未が叫んだ。
「この流れでそういうこと言う!?」
「言うよ。あの時につくづく思ったもん。骸骨がケタケタ笑ってくるのなんかどうでもいいって。こんなイタい思いするんなら、幽霊と合奏やってるほうがずっとマシだって」
「何よ、まだケンカ売るつもりなの、あんた――」
「別にぃ。でもさ、あたしを呪いの元凶みたいに扱っておいて、声が聞こえたぐらいで――」
「あ、椎路さん、いいかな? 一つ言い忘れたことがあるんだけど」
光葉からさりげなくそう切り出されたんで、早苗は単純に、揉め事をそらそうとしてさっきの話を続けるのかな、と思った。それにしても、なんでこんなに楽しそうに笑ってるんだろ、この人?
「輝未が椎路さんに乱暴したのって、それ、そもそも呪いとか関係ないから。この子、布施先生のこと大好きだから、布施先生に批判的な椎路さんにムカついてるの。それだけなの」
「はい?」
「ちょ、ちょ、ちょっと姉ちゃん!?」
慌てふためいた輝未が、ソファから飛び上がった。一瞬、何かの聞き違いかと思った早苗は、ちょっとぼうっとして、眼の前のやりとりをただ眺めていた。
「そ、そういうことを、何もこんなとこで!」
「だって、そもそもの出発点ってそこでしょ。間違ってる?」
「いや、それは……そう……だけど、さ」
あっさりと真っ赤にのぼせ上がる輝未。正直すぎる反応である。ちらちらと早苗を見てうろたえる姿は、いっそ可愛らしいと呼んでもいいぐらいだ。
ようようにして、早苗は光葉の言葉が、まったく真実そのまんまであることを悟った。
「あー……そういうこと……ね」
「な、なにっ。悪い? 文句あんのっ?」
つい何度も何度も頷いてしまう早苗。思えば事情は一目瞭然だったのだ。パーカスが吾郎シンパなのは分かっていたものの、かねてからの輝未の険のある目つきは飛躍し過ぎで理解不能で、だからその裏も考えようとも思わなかった。
そうか。ゴミみたいな無能な顧問から、急に打楽器のプロみたいな顧問が現れたんだもんね。そりゃ、嬉しかっただろうし、好意も持つし、その気にもなっちゃうよねー。
「ね? だから、分かるでしょ? なんだかんだ言っても布施先生がいちばん構ってる部員って、椎路さんらしいから、でも椎路さんは布施先生を毛嫌いしてるんでしょ? 横で見てる輝未の気持ちも分かってあげ――」
「姉ちゃん、もう、やめてよっ!」
「ええー? でも、こういうのって口に出した以上は言うところまで言わないと」
「言い始めたのって姉ちゃんじゃないの! あーもう、わかった、悪かった。全部私が悪かったら! 認めるから!」
「あいや、そういうことだったら……確かに、あたし色々無神経だったかも。ごめんなさい」
座ったままとは言え、深々と頭を下げた早苗を見て、輝未は口をあんぐり開けたまま動きを止めた。早苗の方は、流れとしてここは謝るのが当然だろう、と考えた通りの行動をしただけなのだが、先方にとっては予想外の最果てだったようだ。しばらくあうあうと口を開閉してから、今度は一層テンパった裏返り気味の声で、
「な、な、なんであんたが謝んのっ!?」
「なんでと言われましても」
「や、やめてよっ、こんなタイミングでっ」
なんだか泣きそうなんだけど、最高に苛ついてもいるようで、その上困惑して、でも大笑いをこらえてるみたいな表情。輝未はもう混乱しすぎて、どんな顔をしたらいいのかわからなくなってるようだ。一言で言えば変な顔。
(って言うか、あたし、いったい何しにここに来たんだっけ?)
早苗の方も、なんとなくぷつっと思考の流れが途切れてしまったような感じだ。でも、妙に愉快な気分になってるのも確かだった。おかしいな。楽しいことを期待してここに来たはずはないんだけど……。
ふと気がつくと、お尻の痛みはほとんど感じないぐらいのものに治まっていた。
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