ルシファー登場

俺のスキル発動とともに精霊界からやってきたのはルシファーである。


しかしおかしなことにマスター呼ばわりされる俺には少し混乱があったのだ。


「どうしたのだマスター?」


「俺は上位精霊エレメンタルを呼んだつもりだったんだが、何故か変なのがあらわれたな」


ルシファーはデカイんだ。2メートルぐらいある。羽を広げるな狭いだろうが。


「ふはははははっ!ちゃんと精霊界からやってきたのだ。上位精霊エレメンタルたちを押し退けて魔法陣ゲートに飛び込んできたのだ」


呼ぼうとしたやつらを押し退けただと?


「ちなみに我輩はマスターの特殊スキルと連動しておるので念話も可能なのだ。もちろん其処らの精霊とはわけが違うのだ。


属性魔法もおちゃのこさいさいなのだ」


スキルと融合したというのか⋯⋯たちまちはルシファーの存在でいろんなところをカバーしてもらおう。


「しかしデカイな⋯⋯目立ちすぎる」


「我が輩は小さくもなれるのだ」


そういうと光が輝き少学生サイズになる。服装は高級そうな子供服だ。翼も畳んで見えなくしてある。


「騒がしいと思って来てみたら1人増えてるじゃねぇか!にいちゃん追加料金50ドルズだぜ」


扉が開いて宿の亭主があらわれた!


しまった!!賑やかにしすぎた!素直に料金を追加で払う⋯⋯


トホホ。料金を回収した亭主は去っていった。


気を取り直してルシファーを見る。


「味方っ事でいいんだな?」


「もちろんなのだ。マスターの役に立つ為にきたのだ」


ルシファーによるとほとんどの召喚魔法陣はどこでも現れず決まった場所で召喚されるのを待つらしい。


だが今回はルシファーがのんびりしていたところに声がきこえスキルが発動し、スキルが融合し魔法陣の目の前に飛ばされたらしい。


『ジョブチェンジLEVEL-1スキル使用確認―。 クエストをクリアしました』


チュートリアルクエストはあとひとつか…


部屋の隅にレオナが移動している。ルシファーと距離を取ろうとしているようだ。両手で杖を持っているが涙目でオロオロしている。


「レオナ大丈夫か?ルシファーは味方みたいだから安心していい。予定とは違うが戦力アップだ」


「そういわれても1000年前に突如現れて大都市グランドローズを混沌に落とし都市の3分の1が崩壊したラッフェルの悲劇は伝説になっています。覇王・クライスが現れて引き分けたことで姿を隠したと聞いていたのですが⋯⋯」


「うむ。覇王・クライスは強かったのだ。だがあれから我輩も力を増したのだ。今度はきっと勝てるのだ」


うん。勝たなくていいからな。


「そろそろ飯を食わないと食堂が閉まるな。明日の打ち合わせも兼ねて飯でも食べようか。ルシファーお前も食べるのか?」


「食べなくても食べてもどちらでも大丈夫なのだ。でも食べていいなら食べるのだ」


さあ食堂に向かおう。


◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇


食堂に到着し席に座る。


賑わっているようだ。一番安いものを3つ注文する。


運ばれてきたのはイモのスープと硬めなパン。3人で1ドルズだ。


ルシファーが鼻歌まじりに食べている。


味はあまりしない⋯⋯申し訳ない程度に塩味がする。


レオナはどうやら少しは落ち着いたようだ。


少学生サイズになったルシファーなら大丈夫らしい。




「さて予定としては装備を揃えてポイントを貯めるか資金を確保することだ」


「装備はあまり整えれないと思います」


入れるようになったエリアでは商品の流通が狭められるのと品が高過ぎるらしい。別名 初心者潰し 流浪街るろうがいである。


流浪街の商品は基本レアなし。 ノーマルウエポン アンコモン コモン の三種類。選ばれて此方に運ばれてくるようだ。


ランキングランクは最低ランクのアイアンランクに位置する。


ランキングランクはそれぞれ ―


ランク外


アイアンランク    10000人


ブロンズランク     5000人


シルバーランク     4000人


ゴールドランク     3000人


プラチナランク     2000人


ミスリルランク     1000人


オリハルコンランク   500人


アダマンタイトランク  100人


ヒヒイロカネランク   10人


に分けられる。


特例としてこの上が存在するらしいのだが知らないらしい。


ランク外はそこからさらに下に現れるとのことだ


今、ゲートで行ける場所は6つ流浪街の商業区と下位住居区、ギルド区、闘技場、ダンジョン、大会施設である。


ギルド区は始めにいたとこらしい。


はじめにいた場所は魔導師ギルドの研究所で日々魔法研究が行われていたが研究費がカツカツになりどうにかするために、対策や思案が繰り広げられていた時に白羽の矢がたったのが、魔法陣研究の研究員を務めるレオナだったのだ。


 5人一チームで研究し、召喚まで行き着いた時には経費は底をつき最後の賭けに出た結果が俺の召喚だったのだ。


 しかし記憶喪失な上スキルなし魔力適正なしの結果でギルド所長はぶちギレ。


 追い出す方向になったリストラである。


なけなしの通貨は慈悲みたいなもの。


 ギルドは他にも冒険者ギルド、商人ギルド、魔術師ギルド、傭兵ギルド、盗賊ギルド、工房ギルドなどがあるそうだ。


 登録しておくと素材を納品したりするとお金をくれたり、情報を提供してくれたりする。


それぞれギルドランクがあり、冒険者ギルドと魔導師ギルドではA~Fランクがあって貢献度によってランクがあがっていく。


 流浪街では、始めにギルド登録しておくと商品を値引きしてくれたり、詐欺やぼったくりなどに遭いにくいとのこと。


 しかし最低ランクの場所なだけに流浪街ではどうあがいてもいいものは見つけにくいし、初心者に厳しいギルドが多く対応はあまり変わらない。


 大会施設は上位者の練習場みたいなもの。


 闘技場も装備が整っていないと自殺行為である。


「我輩がいれば大船にのっているのも同然なのだ」


そう言われ自分の格好をみる『ブレイブアスガルド』の装備


宝竜の鎧を装備している。宝竜の鎧は鎧というよりは服よりな格好をしている。武器は籠手。初級装備ではない。


ルシファーは姿、形を変える事ができるとのこと。召喚は一度されたからその波長を読み何度でも現れることができるとのことでゲート通過時には問題なく通っていいとのこと。


「まあなんとかなりそうだな」

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