瞬間移動がやりたくて 〜ナイフ編〜

第1話

目が覚めると目の前には、白髪の老人が座っている。

『おぉ目が覚めたか、こっちへこい』

『え？』

今の状況がよく分からない・・・さっきまで僕はFPSをしていたはずなのに

『お主は心臓発作で死んだのじゃよ、詳しく話してやるからこっちに座りなさい』

『えぇ！？』

死んだの？

まだ25歳だった、仕事も営業の仕事だったがまぁまぁの成績で順調だった、あっ来月ボーナスだ！うわぁ〜・・・あっ今週予約したゲームの発売日じゃん！あぁ・・・発売前情報みてビルド考察もしてたのに・・・

まだまだやりたい事がたくさん浮かんでくる

『おぉ・・・充実してたのじゃな』

この老人は心を読んでいるかの口ぶりをするな

『あの・・・これは生き返して頂くチャンスをもらうのですか？』

『いや、そうではない』

違った・・・あぁFPSのランク上げも意味がなくなってしまった・・・貯蓄もしていたが使っておけば良かった・・・

『僕はなぜこの場所にいるのでしょうか？あなたは神様ですか？』

『そうじゃな、お主の世界でいう神にあたる存在じゃな、お主はなぜか分からんが、わしの世界に迷い込んできたようじゃ、こんな事は初めてだから、わしも困っておるわワハハ』

困っているというのに割と楽しそうだな

もしかしてこれは、転生か転移パターンなのだろうか、ということは魔法がある世界に行ける可能性もある？おぉ、まだ希望は捨てちゃだめだな

『期待しているとこ申し訳ないが、魔法はないぞ』

『え・・・』

魔法のない異世界転生って面白いの・・・？

『お主はわしの作った世界に入りたいのか？せっかくわしは部下以外の話し相手が出来たと思っておったのだが』

う〜ん・・・魔法もない世界で暮らすのも微妙か？ここで神様と神様気分を味わいながら、過ごすのもいいかもしれないな

『そんなに魔法が使いたかったのか？魔法とは違うが、魔道具によるそれっぽいものはあるぞ』

『おっ？それはどんなものでしょう？』

『ふむ、暇じゃし少し見せてやるかの』

神様は立ち上がり、どこからか2種類の武器をだした

『ほれみとけよ』

一つの剣を振ると、目に見える衝撃波のようなものが飛んでいった

『おぉぉぉ！魔法とは違うけど、異世界っぽい！カッコイイです！』

『ほっほっほ、そうじゃろ次はこっちじゃ』

両手斧を地面に振り下ろすと、地面が割れて直線状に地面を盛り上げながら進んでいく

『これもすごい！ゲームでよくみるやつ！』

魔法はないと言われたが、これは立派な魔法だよ！

『新鮮な反応をするのう、こういうのがいいんじゃよ、こっちの世界のやつらは自分に与えられた魔道具で一喜一憂しおって・・・せっかくわしが考えて作ったものを、当たりだ外れたなどとぬかしおって』

『神様が魔道具を渡しているのですか？』

『わしと部下じゃな、魔物がいる世界にしたゆえに一人一人に1個渡しておるわ、おっ丁度授かりに来たものがおるな、ちょっとそこで見てるといい』

そう言って神様は部下の一人に話しかけた後に戻ってきた

様子を見えるようにスクリーンに何か映し出してくれるようだった

がたいの良い15歳ぐらいの少年が神殿の様な場所でひざまづき

神官みたいな一人の前で祈りを捧げている

『これでよいかの』

神様はそう言って、先程の地面を割った斧をスクリーンにポイっと投げると、ひざまづいた少年の前に斧が現れたのだ

『おぉ！少年に斧を授けたのですね！』

『そうじゃ、おぉ喜んでおるわ、近くに出しておったから適当に選んだが良かったわい』

そう言った神様は白い歯をみせニカリと笑った

適当？こういうのはその人の資質とかでなく神様の匙加減なのだろうか・・・

『お主もこの世界行ってみるか？』