僕らの物語

Spicuron

01.青い春と夏の空

春の香りを感じながら、僕は君に寄りかかった。


水墨画の世界で生きていた。

気づくと心は乾き、記憶は滲んでいく。

そんな青い思い出とともに風化していく。


儚く消え入りそうな佇まい。

青く透き通ったブレスレット。

雲上を歩く様な柔らかな歩き方。

そのたおやかな姿に、気付くと僕は惹かれていた。


この景色はいつ見たものだろうか。

私の見た景色だろうか。

遠い私を救ったあの人は、今の私を救ってはくれるのだろうか。


弾けていくその思い出はまるで紫陽花のようだった。

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